第4話

常連



 翌日から梨花のバー通いが日課になった。


 毎日五木の待つバーに訪ずれた。


 仕事場に泊まりのとき以外は毎日である。


 せっせと通ってカクテル一杯とスコッチ一杯を日替わりでオーダーする。


 オーダーを断ることなく全て叶えてくれる、まるで魔法のようなバーだった。


 梨花はすっかりいつものバーが気に入ってしまった。


 五木に仕事の愚痴を聞いてもらえる。


 毎日のようにアポロチョコをサービスしてくれる五木に好感を抱いた。


 他の客にはアポロを出しているところを見たことがない。


 特別感があってちょっと恥ずかしく、とても嬉しくなった。


 すっかり帰宅の際コンビニに寄ることもなくなった。


 バーに寄り道して、五木にいらっしゃいませと迎えられる。


 それがすっかり楽しみになって、いきいきと毎日のように働く梨花であった。


 毎日のように訪れる梨花を待つようになって、ご機嫌でお店を回す五木であった。

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