王国の姫と一般人の騎士

@kokone2525

第1話 突然の災い

私の名前は音流麗(ねりゅう うらら)!

漢字を見ると名前派手でしょ!私はね、姫なの!代々伝わる音流の血が流れてて、この流音(りゅうおん)王国の長女!なになに??流音と音流が紛らわしいって?

それは私も思うよ…。(笑)

それでね!

私はこの王国の長女だから、いつか素敵な王子様と婚約して〜♡ 幸せになって〜♡ご飯いっぱい食べて〜♡ 可愛いお洋服沢山買って〜♡幸せになるのー!……っは!!

失敬!私は妹達に比べて頭の中がお花畑なんです!父上や母上、執事のまるまるにも呆れられるほどの…。

「はーーー素敵な王子様現れないかなーー。」

今日3回目のため息をついてみる。

独り言のはずが返事が返ってきた。

「またそれですか!麗様。お勉強の時間です。」

「げっ!!」

今現れたこの人が執事のまるまる。本名は丸木で、私が小さい頃からずっと一緒。頼りになるし筋肉ムキムキで強い。

「えーやだよーー。まるまるも本音はやりたくないでしょーやめようよーー」

咄嗟にやめようとか言ったけど、

「ダメです。私が怒られます」

まぁでしょうね。それとさっきの補足、口うるさくて手強い。

「明日から真面目にやる。ほんとに。だから今日だけは見逃して!!!」

今日このあとはゲーム三昧って昨日の夜から決めてたんだから!

「明日も明後日も同じこと言ってやらないに決まってます。」

……。

「だいたい私には不思議な力が秘めてるとか言うじゃん?父上と母上の遺伝でさー」

なんと実は私の父上と母上には神聖なる力があって、少しの魔法なら使えたとか使えなかったとか…。子供をさずかった今は完全にその能力も消えてしまったようなんですけど。

「それはそうですけど麗様には学力が足りて無さすぎる。真面目にやりましょう?」

!?もうほんとに失礼!もっと私を褒めてもいいんじゃないの!?ほら、可愛いとか…♡

「何が面白いんですか」

おっと、また長い妄想に入るところだった。

「まぁこの国平和だし、勉強しても何にも役立たないよ!それに本気出したら私だって世界で有名になれるくらいの頭脳は持ってるね!」

「またそんなこと言っ……!?」

ブォーンブォーンブォーンーーーーーー

え?なに??ドッキリ?…ではないみたいね。

焦ってきた私に向かってさらに焦らせる言葉が耳に飛び込んできた。

「私は何が起きたか確認してきます。麗様は隠し通路からお逃げ下さい」

えーー!?まるまるのバカー!!私は姫だぞー!!姫を1人にするなー!!

…とりあえず隠し通路へ向かおう。

「父上ー! 母上ー!どこにいるのー?」

私は2人を探しながら隠し通路へ向かった。

しかし2人の姿はなく、警報の赤いランプだけが派手に動いていた。

εïзεïзεïзεïзεïзεïзεïзεïзεïз

何とか外に出れた!?けど……

外は炎の嵐、人の悲鳴、血の匂い…。

ほんとに一体、どうなってるの?理解が追いつかない。するとそこに1匹の…なにあれ?コウモリ?ネズミ?が勢いよくこっちに飛んできた。

え、無理無理無理!私コウモリもネズミも嫌いだし!しかもなんでこっちに来てんの!

私は近くに落ちていたプラスチックの棒を拾ってコウモリかネズミかよくわかんない生物を叩き落とした。…しょうがないでしょ!追いかけてきた方が悪いんだから!でも、本当にこのまま見てるだけだと被害がどんどん大きくなる。

もう既に家が燃えて中で…って人とか、魔物っぽい奴とかにやられて死んでしまった人がいるみたい…。でも私に魔物を倒すような力なんてない。ましてや魔物は強そうな猿?もいる。なんとか魔物を倒す以外でみんなを助けよう。

そう思って辺りをじっくり見渡していたらさっき言った強そうな猿と目が合った。あれ?ちょっとやばい?こっち来てるし。

私はさっき使ったプラスチックの棒を振り回して攻撃してみたが、なんの効果もなく、さらに強そうな、ラスボスっぽい魔王みたいなやつが現れた。これ大ピンチでしょ!!

てかどっから現れたのよ!意味わかんないし!私こんな奴にやられたくないよ!まだ王子様とも出会ってないんだから!

なんて1人で盛り上がってたら魔王が言った。

「お前の大事な両親はもう捕らえてある。あとはお前だ。」

うわ!!最悪!ほんとに!私には分かるね!

どうせ音流の不思議な力を狙ってるんでしょ。

残念。今となってはもうその力はない!!

だから私は言ってやった。

「もう父上と母上には力がないの。私を産んだ時点で力は完全に消えたからね。だから父上と母上は解放して!」

ふん!どうだ!が、この魔王は最悪の一言

「ならお前の親は殺してしまおうか」

なんて酷い言葉をサラッと言った。

言い返そうと思ったとき、魔王は赤い針金のようなものを手から出した。なになに、私今死ぬの?無理無理無理無理無理。

私が慌てていると魔王が私にその針金を括りつけた。その瞬間、私の体の内側からジリジリとした痛みが湧き上がってきて急に苦しくなる。

もう何これ取れないし(涙)

あー私はここまでか…。痛みで意識が遠のいていく。走馬灯くらい見たかった……。

途中、誰かが私の近くに駆け寄ってくる足音が聞こえたような気がしたけれど、もうどうでもいい。

私は意識を失った。




続きます!!






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