第3話 先生との出会い
2週間後、私は目を覚ました。
〝またここに戻ってきたのか〟と絶望した。
私はとうとう我慢できなくなり、急に色々吐き出してしまった。
「愛されない私にもう情(心)なんて邪魔なだけ、毎日、毎日、必死にお父様に認めてもらうために勉強をした、でもいくら頑張ってもお父様は私にめをむけてくれなかった!!」
「こんな思いになるくらいなら、自分の心を殺した方がましよ!」と、関係の無い人に怒鳴ってしまった。
〝でももう、いい子にする必要なんてない。〟
そして、顔を上げるとなぜかその女性は
「うん、そうだね。辛かったね。よく頑張ったね」と泣きそうな顔ををしながら言っていた。
意味がわからない。私は関係の無いあなたにあたり散らしたというのに。こんな姿、公爵家の恥だというのに。
メアリによればその女性の名はローラというらしく、男爵令嬢であり、心の病気を治す精神科でもあるらしい。
私は、ローラ先生のことを信用していなかった。でも公爵令嬢である私のあんな取り乱した姿を見て「なんて野蛮な。」とほかの貴族なら必ずそういう目で見てくるはずなのに、そんなことをみじんもおもっていない、同情でもない目をしていた理由が気になった。
それと、何より心が暖かかった。
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