第2話 私の生きる意味

小説


私が生まれた時、お母様は亡くなった。元々体が弱かったこともあり、私を産んだことによって体の限界を超えてしまったようだ。


私は覚えていないが、次女のメアリによれば、

お父様が血まみれの真っ青な顔をしているお母様を見て『ティ、ア....?ティア!!!しっかりしろ!おい、今すぐ医者をよんでこい!はやくしろ!!!』と怒鳴ったそうだ....


そして私をその時、殺気立った目で睨んでいたそうだ。


それを聞いた時、私が今まで父からあのように接されていた理由がわかった。


お父様は他の貴族からは氷の公爵と呼ばれていることもしっていたので、最初はみんなにも同じようにしているだけだ、と思っていた。


でも違った。私がお父様の最愛の妻、ティアお母様を殺したからだと。


私はめったに仕事で家に帰ってこない父に絵本を読んでもらいたくてこういったことがある。


『お父様。 あの、お父様に絵本を読んでもらいたいのです』


『私は忙しい。メアリに読んでもらえ。』

と冷たく返され、まるで〝私に近寄るな〟と言っているようだった。


でも、『私がいい子にしていたらいつか父が私のことを愛してくれるはずだわ』と、諦められなかった。


だから、お父様に認めて貰えるように、寝る間も惜しんでたくさん勉強もした。


私は公爵家の一人娘ということもあり生まれた頃からこの国の皇太子との婚約がきまっている。未来の王妃になり父に振り向いて欲しかった、きにかけてほしかった。1度でいいから『リオナ、愛してる。』と言われたかった。


でも、どれだけ頑張っても父はふりむいてくれなかった。


私は

「両親から愛されることのない私は王妃になるためにだけしか生きている意味が無いのよ」と、ずっとずっと繰り返し心の中で唱えていた。


ある時、まともに睡眠などをとっていない私の心と体は気づかないうちに壊れる寸前だった。


メアリに『お嬢様、お願いです。睡眠とお食事をきちんととってください....このままでは死んでしまいます、』と言われていたが私は聞かなかった。


とうとう私は倒れてしまい、暗い闇の中を漂っていた。


その中で『いくら頑張ってもお父様は私に愛をくださらない。私はもう充分やった…もう疲れた。このまま目覚めなければいいのに。』と思っていた。






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