第25話祈り
流星の侵略者と星の魔術師の戦いが始まる。
菩提樹のしたで嘗て異星の救世主が覚醒した場所で二人は対峙する。
アルカノイドは自らの身体を切り崩し、植物を産み出す!
全身鋭い棘の異星の植物ギンピ・ギンピ、棘が掠っただけで、その神経毒により全身に激痛がはしり死に至る。
普段の彼女なら選ばない植物だ。
『マーシャの呪文により大地が汚染された!』
アルカノイドはマーシャに先手を打たれていたのだ、大呪文により部下が全滅させられただけでなく。
大地が焼き払われ、彼女が大地に種子を蒔いても発芽しないのだ。
故に自分の身体を切り崩し植物を産み出す。
「アゴーニ!」
マーシャの周りから数多の魔力弾が発射される
ギンピ・ギンピ達は接近を試みるが魔力弾に撃ち抜かれていく。
並の相手であればアルカノイドは撤退した、彼女には誇りや功名心などないのだ。
ただ生き残り使命を果たす、救世主の慈悲に応えるこれしか無いのだ。
たが、彼女は誰よりもマーシャの実力を認めていた。
背中を見せれば、確実に高威力の呪文で殲滅される。
「マンチニール!」
アルカノイドは全面に猛毒の林を発生させる。
「プラーミャ!」
業火が林を焼く尽くす、猛毒の煙が周囲を覆う。
「懐かしいね!マンチニール!昔は手こずったよ」
マーシャは笑う!
常人ならば一呼吸で、気管が爛れ即死する毒の中で……
「人間を辞めたの?」
アルカノイドがため息をつく。
「星の英雄なしで…あんたの相手するんだ、辞めたつもりはないが身体を色々弄ったさ……」
「そう……自然な身体で死んでほしかった…」
アルカノイドは心底殘念そうだった。
「子孫にあんたと言う、厄災を遺すわけいかないんだよ!」
「凄い…」
私は空気から伝わる魔力に驚愕した。
アルカノイドとマーシャさんが戦っている。
二人の力は凄まじく、勇者である私が割って入る隙がないと思えるほどだった。
「勇者様祈りを開始します、剣を構えて下さい」
モニカの言葉に私は聖剣を構える。
私の後ろにはパーティーの仲間が、さらにその後ろには神官団がいる。
神官団が祈りを始めると聖剣に力が流れ込んでくる、信仰、皆の祈りが力になるを肌で感じた。
「ジャイアント・ホグウィード!」
アルカノイドは頭部に白い花をつけた巨大な木を出現させる。
「トカマク!」
マーシャがプラズマの牢獄を作り!
木を消し飛ばす!
「しまった…」
マーシャの足に樹液が掛かり、両足首がドロドロに溶ける。
ジャイアント・ホグウィードの樹液にも強力な毒がある、目に入れば失明し、血液中に入れば即死だ。
「ジャイアント・ホグウィードの毒でも即死しないなんて……」
たがマーシャは絶命していない、苦悶の表情を浮かべ倒れている。
「星の魔術師マーシャ……貴方に敬意を…」
アルカノイドは掌から植物製の剣を出す。
「首だけは持ち帰り埋葬してあげましょう…」
心からの言葉だった、マーシャ程の人物を毒でドロドロにとかし、供養しないなんてあり得ない。
首を刎ねようと剣を振り下ろそうとした、瞬間アルカノイドの身体が結界に閉じ込められた。
「お前ならそうすると思ったよ……」
「マーシャ!何を!?」
「お前の旅を終わらせてやるよ!転移!」
二人の身体でその場から消えた。
「ダイナ!転移してくる!」
「分かった!」
魔術師であるキースがいち早く気付く。
私もも気配を探る!
『来る!』
次の瞬間アルカノイドとマーシャさんが空中に出現する。
「私の事は構うな!やれ!」
マーシャさん叫ぶ。
『あの光は信仰?』
アルカノイドは聖剣をひと目見て気付く。
自分の右脇にある聖遺物と同じ信仰の輝き!
異星の救世主は右脇から産まれたと伝承にある、だからこそ右脇に聖遺物を安置したのだ。
故郷の種を再生させ、世界の王として彼を再誕させるその時まで。
「させるか!ソルトアース!」
アルカノイドは聖なる光を放つ!
だがダイナは怯まない!多くの祈りを受け、勇者として彼女は信仰をうけている。
「皆の祈りを……プレイ!!」
この星の民の祈りが!
異星の救世主の信仰を打ち砕た!
「シ―――」
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