第24話星の魔術師

あれから急いで決戦の準備がなされた。

魔術協会、王国軍、教団、その全てが揃った初めての合同作戦、それだけアルカノイドが強敵だったと言うことだ。

彼女は長い間進軍を気取られなかった。

魔王軍にはない死者を埋葬すると言う願念がおくらせたのだ、毒によるほぼ無痛の死、そのため農村はほぼ無傷、彼女の慈悲の心が被害を拡大した。

私達は所定の場所で待機する。

魔術協会の魔術師はアルカノイドの軍を取り囲むように認識阻害の魔法を使い配置につく。

王国軍は魔術師の護衛だ、どこまでアルカノイドの毒に対抗できるかわからないが、研究所で作った解毒剤が配布された。

私は懐から指輪を出し見つめる。

これを受け取った状況を思い出していた。

「ダイナ君、これあげるよ」

「これは……指輪?」

マーシャさんは私に指輪を渡してきた。

「これはキースから授業料代わりに寄越されたものだがダイナ君にやるよ」

「受け取れませんよ…」

「これはキースの母親の形見だ…いらんならダイナ君から返してくれ、彼奴…頑固だから対価とし手放したからって受け取らんのよ…」

私にキースに返そうとするが、勇者の責務を果たしてからで良いから、使って欲しいと言ってきたんだ。

その時のキースを思い浮かべると胸が熱くなる。

勇者の責務を果たせば私は……


「キース…私は今回の戦いで命を落とすだろう…」

「師匠…」

「こんな見た目だが、私は婆さんだ長生きしたよ…私が死んだら私の財産はお前の好きにしてくれ、屋敷のロックをお前の魔力で開くようにしといたから……」

「それ程の……相手だよな……」

「ああ、そうだとも……私は星の英雄ハロルドの仲間としての最期の仕事だ…彼は自分の全てを捧げるに値する魂の美しい男だった…じゃあな!我が弟子!」

星の魔術師は空に飛び立つ!

アルカノイドに感づかれないように遥か上空から接近する、ここまで長時間飛べる魔術師は居ない。

彼女は星の加護により、自分にかかる重力をカットしている、故に魔力消費が少ないのだ。

マーシャは魔力で視力を強化する、すると地表の様子が確認できた。

広大なケシと大麻の畑、この星の人間を根絶やしにできる量が栽培されていた。

「お前なりの善意なのだろが受けとれないよ!」

マーシャは体内の魔力炉を全す開にする、上空に十個の魔法陣が浮かぶ!

「死を呼ぶ十の指よ!今破滅の十光解き放つ!!システマ・ペリメトル!!」

魔法陣から破滅の光が降り注ぐ!

地表の汎ゆる物を焼き尽くす、植物もアルカノイドの部下も全て消し飛んだかに見えた。

「異星の救世主様の力は半端ねぇな!」

マーシャは叫んだ!

焼き尽くされた地表に光り輝く大樹が現れたのだ!

あれこそは異星の救世主が覚醒した場所に生えていた木、菩提樹!

そして光り輝く菩提樹の元に宿敵はいた。

マーシャは宿敵の元に飛んでゆく、地表は灼熱地獄となり生きている者はマーシャとアルカノイドの二人のみ。

アルカノイドはマーシャを一目見ると全て察した、彼女が自分を決着をつけに来たことを!

「結果を張りながら私と戦えるの?」

アルカノイドは指摘する、マーシャは熱を遮断するための結果を張っている。

「勿論だ……」

「私は貴方を認めている」

「分かってる、お前と同じだよ…共に生きられないだけで嫌いではない!残念だよ!」

「私も残念に思う……同じ星に知性体は複数存在出来ない!!」

流星の侵略者と星の魔術師の戦いが始まった。







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