第23話作戦会議

私達は研究所から神殿に戻る、明日各方面の有力者を神殿に呼びアルカノイドを倒す為の会議をすると言う事を聞かされた。

私達とマーシャさんは明日の会議まで神殿で待機となった。

私は神殿から一人夕日を見ながら考えていた。

マーシャさんからの説明では「信仰には信仰をぶつける」とのことだった。

女神イシュタルへの信仰を聖剣に信仰を集め、異星の救世主の遺骨を砕く。

アルカノイドが生き続けことができたのは救世主への信仰心だという、異星の賢人に作られた方舟である彼女が信仰心を抱く何てあるのだろうか?

「ダイナくん緊張してるのかい?」

マーシャさんが声をかけくる、ふんわりした茶髪を二つ編みにしてる彼女の容姿は実年齢とあわない。

「マーシャさん……」

「おっと睨まないでおくれよ!」

私は無意識に睨んでしまったらしい。

「キースの体に何をしたんですか?」

「君と似たよなことさ……悪いね、無駄に目がいいから神殿の連中が何やったかわかるんだ…」

その一言で碌でもない事と言うのはわかった。

「五十年前アルカノイドを倒したんですよね?」

「英雄ハロルドの一撃によって彼奴は消滅した、救世主の遺骨を残して…すると遺骨が光り輝き消えたんだ…」

「消えた?魔力による転移ですか?」

「奇跡の類だな……異星の救世主の、そして男の声が聴こえたんだ、五十年後彼女は同じことすをするって……永い旅を終わらせてやってくれってな……」

「それって…」

「楽にしてやってくれって事なんだろ、そして私は体を改造して最盛期の魔力を維持してきた……その改造が魔術協会の規定違反で処罰されたわけなんだ」


翌日、教団、王国軍、魔術協会各方面のトップが集められた。

「さて魔王軍の動きが分かった、奴等の狙いは兵糧ぜめだ、調べによるといくつもの農村、耕作地が魔王軍によって滅ぼされた」

大神官の発言に皆驚いている、彼らは農村を毒を使い全滅させ、死体を埋葬している。

農村はほぼ無傷で人だけ居なくなるのだ。

通常の襲撃では考えられない、有るべき筈の食い散らかした死体が無いのだ。

ここまで発覚しなかったのはそのためだ、アルカノイドには死者を弔うと言う概念があった。

『モニカに祈ってと言ったのは裏表のない言葉だったんだろう…』

私がそんな事を考えているとマーシャさんが語りだした。

「私が使い魔で調べた結果、状態は極めてまずい…これを見てくれ」

マーシャさんが水晶を懐から取り出すと、そこから映像が映される。

何だこれは?川が見たことのない水草に覆われている。

「これはアルカノイドが放った植物、海上は愚か陸でも生きられるとんでも無い代物だ、これにより船は使えない、兵糧の移動は陸路しか使えない……いや陸路も封鎖されつつある」

水晶から別の映像が映される。

「あれはマンチニール?」

アルカノイドが盾に使った、マンチニールが森を形成していた。

「勇者殿がいった通り、この木はマンチニールという固く強い毒性がある、燃やせば毒の煙をだす厄介な木だ、故に1日でも早くアルカノイドを倒す必要がある、あとはマクスウェル大神官から説明がある」

「アルカノイドの軍は東の耕作地付近にいるのは調べがついている、作戦は汚染された土地をマーシャ殿の魔法で焼き払いアルカノイドを炙り出す、それまで我等信徒は聖剣に祈りを捧げる、ある程度敵を弱体化させたら、勇者の前に強制転移させ、聖剣でトドメをさす」

「と言う訳だ、出来るだけ奴の力を削ってやる」

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