第2話 ヒータ・レカリウル

両親は、私の髪色を気味悪がって逃げてしまった。

学校では、ずっと陰口をたたかれた。

それが、私 ヒータ・レカリウル。

どことなく前世の私に似ているが、それは気にしないでおこう。

私は、多分慣れているから耐えられるけれど

きっとゲームのヒータは、耐えられなかったのだろう。

最後には、闇の力にのまれて裏ボスとなってしまった。

そんなヒータは正直、モブみたいに生きるのが正しいのだろう。

世の中の理不尽に耐えて、ずっと。


ただ、それだと私が納得できない。

悪い人には罰を。罪人には相応の罪を

それが、ヒータの考え方。

その考え方に納得できる私もいる。

けれど、それ以上に―――


ヒータ・レカリウルを

悲しい過去を持ったみんなを

助けたい。


モブみたいに存在するんじゃなくて

私自身の性格で、みんなに認められたい、愛されたい。

神様が私にくれた、を、無駄にしたくない。

だから、私の目標は―――


乙女ゲーム「光と闇の先に」の攻略対象全員を幸せにする。


それがきっと、私がこの世界に生まれた理由だから。


(そのためには、力が必要だよね)

この世界には、人が使うことが出来る魔法の種類「属性」がある。

火、水、風、土、光、闇の六属性。

それぞれ対象の存在があり、それぞれの弱点となる。

火は水、水は土、土は風、風は闇、闇は光。

基本的に光に弱点は無く、闇は光以外に弱点がない。

私の属性は闇。だから、光属性である主人公レンに負けてしまうのだ。


逆に言えば、光属性に耐性を付ければ、私は最強になれる。

耐性をつけることはできないかもしれない。というか、できないけど

光属性と戦うことで、闇属性は鍛えられる。

そのためには、光属性のモンスターと戦う必要がある。


光属性は、「回復」

そのため、光属性の魔物は数こそ少ないが、常に体を回復させるため

ほとんど不死身なのだ。


そして、その魔物が出現する場所を、私は3か所しっている。

その一か所は、私の領地と割と近い。


(早速行ってみようかな)


みんなを幸せにするために。

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