第16話 開幕、BCS本戦

「さあついに始まりました! ブレイヴロワイヤル最強のチームを決める、年に一度の祭典、BCSブレイブチャンピオンシップ

!!」


 司会に解説の2人が進行役。まるでスポーツの生中継のようなスタイルだ。

 おまけにこの様子は、動画配信サイトで全世界に生中継されている。


 僕たちはそれを、ゲーム内に用意された控え室の魔導モニターから見ていた。


「今大会では予選を勝ち抜いた50チームが、AからEの5つのブロックに別れて戦います! それぞれのブロックの上位2チームがファイナルラウンドに進出! そこで最後まで生き残ったチームが今年のBCSのチャンピオンチームです!! さぁ、はたし最強の栄誉を勝ち取るのはどのチームなのか!?」


「さっそく各ブロックの出場選手を見ていきましょう。まずはAブロック代表。レジェンドランク、現在ランキング12位の……」


 順番に選手が紹介されていくが、どの選手も最高ランク、おまけにランキングの順位も1桁や2桁。

 過去の大会の優勝者たちも名を連ねている。

 どの選手も相当な実力者たちだ。

 僕たちが勝ち進むには、彼ら倒して生き残らないといけないわけだ。


「Cブロックの注目チームと言えば、やはりユウヒ選手、カナホ選手のチーム! ランキング順位は高くありませんが、そのあまりにも割り切ったビルドと独特な戦法、そして驚くべき反応速度で注目されている選手です! 果たして今日もそれが見れるのか!?」


「彼らはまだ経験が浅いプレイヤーたちですが、実力は本物です。活躍に期待したいところですね」


「……緊張してきた」


 思わず体がぶるっと震える。ゲーム内で武者震いするとは、ちょっと不思議な感覚だ。

 カナホも部屋の中でウロウロしていて落ち着かない。


「ユ、ユウヒ様でも緊張するんですねぇ。いっつも、平気そうな顔していたじゃないですかぁ」


「そ、そうだっけ」


 確かに本物のユウヒならそうだろう。

 あいつは剣道の大きな大会の決勝まで行っても、普段と変わらない堂々とした態度だった。

 見ているこっちの方がハラハラしていたぐらいだ。


 僕ら凡人とは器の大きさが違うのか、それともただのバカなのか。

 たぶん両方だな。


 しばらく、Aブロック、Bブロックの戦いを観戦していた。

 当たり前だが出場しているどの選手もレベルが高い。

 攻めも守りも、動きが段違いだ。

 チーム2人の連携も完璧で、ランクバトルで戦ってきたような有象無象とは次元が違う。


 そんな精鋭たちの中から、トップのチームが決勝戦ファイナルラウンドに進む。

 僕たちも彼らに続かないといけない。


「行こう、カナホ。勝ってこよう」


「はいですぅ!!」

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