頼まれ事と世界情勢

「本当にみんな、、、私は全然すごくないのに、もう」

アリアは恥ずかしそうに言いながら孤児院内を歩く そして大広間には向かって進んで行くと

「あら?」

大広間に入るための扉の前に2人の男の子がまるで門番のように立っていた

「2人とも何してるの?」

アリアがそう声を掛けると

「「っ!お姉ちゃん!」」

男の子たちは驚いた様子で声を上げる そして

「お姉ちゃん今は大広間に入っちゃダメ!」

「え?なんで?!」

「えっと、、、そう!今枕投げ大会してるから危ない!」

「いやいや!?何してるのよ?!危ないでしょ!どいて全員このアリアお姉ちゃんの拳骨を落とすから」

アリアは手を手に打ち付けながらそう言う

「「ひっ!!」」

子供達は半泣きで悲鳴を上げる

「さー!どきなさい。拳骨が2発になるわよ」

アリアはそう言って扉に手を掛けた 

しかし

「大丈夫ですよ」

横から院長の優しい声が響く

「え?」

「私が叱っておきますからアリアは少し頼まれごとを受けてくれませんか?」

そして院長はそう声を掛けた

「え?は、はい」

アリアは扉から手を離した

「「ふー」」

それを見て男の子達は安心した様子で息を吐いた

「悪いのですがバランの大教会へ行ってこの手紙を渡してきてください」

そう言うと院長は封筒をアリアに手渡した

「え゛?」

アリアは心底嫌そうな声を出す

「教会の人達、偉そうで傲慢で嫌いなんですけど」

そしてそう不機嫌そうにそう言う

「お願いよ。私は今料理を作っていて急がしくてね。今から行けば晩御飯までには戻ってこられるでしょうし。お願い」

「わかりました、、、」

アリアは渋々従うことにした



数分後

「それじゃー、行ってきます」

剣や防具などの装備をしたアリアは孤児院を出ていく

「「いってらっしゃい!!」」

お見送りはかわいい子供達だ




「さて走って行けば2時間で着くわね」

町を歩きながらアリアはそう呟く

(バランの司教もイラつくけどマジで大司教はめちゃくちゃイラつく。無駄に知恵が回りやがって)

そんなことを考えながら歩いていると

「ん?アリアちゃん?どこに行くんだ?」

商人のおじさんがアリアに声を掛けてきた

「院長のお願いで手紙をバランの大教会まで届けに行くんですよ」

「バランにか。運が良いな。俺も今からバランに行く予定でな。馬車に乗っていきなさい」

そう言いながらおじさんは馬車の荷台を覆う布を開けた

「良いんですか?」

(馬車なら楽だし1時間半で着く!)

アリアは馬車に乗りこんだ




「そういえばアリアちゃん」

「はい?」

「確かアリアちゃんはあの孤児院の院長を継いであの町で一生を終えると言ってたよな?」

「ええ」

おじさんの問いにアリアはそう返す

「そうなるとあの町や周辺の村町で伴侶を見つけることとなると思うけど1人ぐらい気になっている子はいないのか?」

「え?なんでいきなり?」

「あの町じゃよく話題に上がる話だ。アリアちゃんの伴侶は誰になるだろうって」

おじさんは面白そうにそう言う

「私は胸も無いし、顔も良くないですから難しいでしょうね」

アリアが自分の壁のような胸を触りながらそう言うと

「十分アリアちゃんは魅力的な子だと思うけどな。少なくとも俺があと20若ければアリアちゃんに求婚していただろうな」

「うれしいです!」

「アリアちゃんはどういう人と結婚したいとかそう言う考えはないのか?」

おじさんがそう聞くと

「え?う~ん」

(高身長とか?いやどうでも良い。強い?どうでもよ。イケメン?私よりもイケメンな人いないでしょ)

「無いわねー」

「おいおい、、、もしかして女が良いのか?」

「それタブーですよね?サフラン王国とセラフ神聖国じゃ即刻死刑でエーテル王国でやエモクロア共和国でも法には記されてはいなくても忌み嫌われてるって院長に教えてもらいましたよ。院長は人を縛る悪習だと珍しく怒っていましたね」

アリアはそう苦笑いして言う しかし

(女の子と恋愛か、、、私は別に男でも女でもって感じね)

アリアは恋人の性別はどちらでも良いようだ

「同性恋愛が許されているのは魔国だけ、、、あっ!あと最近有名なヤマトも大丈夫なはずだな」

おじさんがそう呟くと

「ヤマト?」

聞き覚えの無い国名(読者は全部聞き覚えが無いだろうが気にしないで)にアリアは首を傾げる

「ほらこれ5日前の新聞だ。着くまでに読んでな。読むことは出来るだろ」

そんなアリアにおじさんは新聞を渡した

「ありがとう」

(活字嫌いなんだよね、、、まー、暇だし読んでみるか)

そうしてアリアはバランへ着くまでの間新聞を読むのであった


セラフ神聖新聞 6/15


セラフ神聖国聖騎士団教皇直属部隊長の息子 極東の国を悪魔教団から救う

 4月、教皇直属部隊 通称ホワイトリリィー隊長のフレデリカ・エルピス様のご子息であるエレボス・エルピス様が母親の背を追って一国を落としかけた悪魔教団を討伐し国を救ったことが判明した。

 極東の国ヤマト皇国は3年前より悪魔教団によって国自体を蝕まれていた。本来は神聖教会の恩恵にあればそのような事態には陥らないのだがヤマト皇国は国外との関係を極度に断っており教会の恩恵を受けていなかった。そのため教団は数年前にエモクロア共和国で広まり5万人という多数の死者を生み出した魔素病を広め当時の皇帝を実質殺害した。幸いその次に即位した当時9歳の皇帝の才覚とフレデリカ様の幼い日の仲間の1人により3年の間ヤマトはどうにか落とされることは無かった

 そして今年の4月、エレボス様は親子喧嘩が原因で3月のエーテル王国でのベルムート事件でフレデリカ様が家を離れたすきに家出をし何らかの目的をもってヤマト皇国に単身入国。そこで魔素病に苦しむヤマトの民や魔素病がヘルメス家長女誘拐事件の影響で狙われていた悪魔教団によるものだと知りエレボスは様は剣を抜きヤマトの皇帝や重臣と協力し精鋭2万の軍を率い悪魔教団と激突。魔解を習得した総裁司教ウェスタ(推定される強さは中位聖騎士以上)を単身で撃破。さらに周囲の人間を守り切っての勝利というフレデリカ様の圧倒的な強さの影を感じるその力を示した。その後訪れたフレデリカ様とお会いしたエレボス様はその場から逃走し現在行

方不明だ。フレデリカ様並びに神聖教会は

[我が息子、エレボスを捕らえ神聖教会及びセラフ神聖国にその身柄を受け渡したものには白金貨5枚を褒章として渡す。また複数人で捕えた場合は多少の上乗せする事を誓う]

と指名手配を掛け現在もエレボス様を探している。

ヤマトはその後エレボス様の母君ということもありフレデリカ様のお言葉からセラフ神聖国との関係を築く予定で2か月の間に話はかなり進んでいるようだ。

 魔愛の勇者としてエレボス様への期待が高まる

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生きているだけで希望になる元孤児少女 ~時間魔法最強~ 晴れ雨 @reinnysun

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