(1)~(22) 計22話 各1話平均3,000字~

第一章 心残り (1)~(4)

1)夜這い

1/3

 お腹は空かなくて眠気も感じないのに、僕はまた生活をしていた。元の住んでいたアパートに戻っては、時間になればバイトに出掛けて、帰ってきたら部屋で大人しくしている。時々、モニタの部屋に呼び出されては、何人かの様子を見ていた(この部屋への招待を断ることもできるが、拒む理由もない)。


「カグラヲチが何をしているのか、気になりませんか」


 ロボットが僕の所有権にと持ち掛けたのは、やはり始めに会いに行った一人目の女。気にはかかる。上手に話はできなかったが、面識が生じて先々のきっかけは作った。いつでも会いに行ける。もっとも、何を話すかは決まっていないのだが。


 午後一〇時五五分。モニタ越しのカグラは布団に入って、天井を見つめている。


「この状況下で、会いに行ったら、驚かせてしまう、だろうか」


 好奇心だった。幽霊のような現れ方を驚かれたら、彼女はどんな顔をしてくれるのか。見てみたいような気がする。それも、単なる好奇心に過ぎなかった。


「いいと思います。暗示を告げて消える影。忘れられない超自然的な印象を刻み込むでしょう。口上なら心配ご無用です。こちらでご用意いたします」


 心の半分以上でもやる気をのぞかせてしまうと、すなわち決定と変わりなかった。自分の感じている意識はすべて傍受されているみたいで、送られてくる声も適宜受信されている。今さら、この状態に抗ういわれもない。




「転送」で移動できるのは目的地より多少離れた場所だった。建造物にある特定の部屋に行こうとすると、別の階の部屋に着くこともあるらしい。案の定、カグラの住んでいる建物でも同じことだった。


 モニタによると、そこは一階建ての独立した戸建てに、居室がいくつもあってカグラの家族も別々に眠っている。母と男のきょうだいが一人ずつ居て、三人家族。父親らしき人は居ないみたいだった。


 夜更けすぎに、見知らぬ家に上がり込む度胸が試された。


 幸運だったのかもしれない。「普通に」生きていたのではここへ来ることはできなかった。独りよがりな動機で扉に手を掛ける。入り口の鍵は開けられるらしい。仕組みは不明だが、数秒後に本当に開いた。


 電気の消えている玄関を通り抜けて、案内に従って、カグラの居室に入り込む。


 後ろ手にドアを閉めると、布団で横になっている影が視界に入った。


「だれ?」


 気付かれた。逃げも隠れもせず、そのかたわらに進み出る。


 起き上がった少女はこちらを見て、もう一度、布団に戻った。


「これは、夢ね。やけに現実的な」

2/3

 睡眠を再開した子の隣に移動して、腰を降ろした。特筆して言う事はなかった。ロボットが勧めた口上はこうだった。「もうすぐお前はおれのものになる。覚悟を決めておけ」仮に、所有権を得たのだとしたら、それでも構わなかった。


 しかし、そのためにはこの少女についてもう少し知っておかなければならなかった。たとえば、何月に生まれただとか、どういう風に育っただとか。それと、これからをどうやって生きていたいのかとか。


「聞いて、いいだろうか。きみのこと」


 うるさくならないように、小声で問い掛けた。返事はない。寝てしまったのなら、今夜は引き上げよう。立ち上がる足に力を加える。


 通常の会話では考えられない間を伴って、言葉が返ってきた。とにかく足は使わず、ここに留まり、転送する気さえ失われた。


「あなたがだれなのか、答えてくれたら」


 こうして、問答が始まった。


 質問に僕が答えたら、今度は彼女が答えて、それを交互に繰り返していった。「好奇心」は取り留めもなく、愛情よりも身近なものを確信させつつあった。この子はおもしろい。話をしているだけで、意外な発見がある。


 そんな人を所有したとなれば、僕の人生は以前よりも華々しくなる。しかし、それはどのくらい続くだろうか。


 僕のせいで話題が消極的な質問になっていき、回答が滞った。


 数分とかかって導き出された答えは「わからない」だった。


「あなたは死ぬのが怖いの?」


 先程の彼女とは対照的に、即答だった。その返事の後、互いに何も言わなくなった。後悔はしていない。これまでも、これからも。だから、もう話が尽きてしまったことにも、あきらめが着いた。


 しばらくカグラの隣で、背中を向けた物寂しい寝姿に目をやっていたが、やがて立ち上がった。転送されて体が薄れていく直前、断片的な言葉を耳にした。


「――居たくは、ないよ」


 全部は聞き取れなかった。




 モニタ部屋に戻ってきた。ロボットが減らず口を叩いて寄越す。


「あそこで説き伏せて所有権を得ておけば、丁度今頃にはカグラヲチはあなたの支配下だったのに。どうして、そうしないのです? 彼女の詳細についてもあらかた知り得たのでしょう」


 確かに、カグラヲチの事を知れば知るほど、人生への退屈は紛れていった。共に年を重ねていけば、新しい発見があったかもしれない。しかし、それゆえの迷いが妨げていた。


「カグラは、どういうわけか生きていることを肯定していないようだった」

3/3

「そうですね。彼女はずっと後ろばかりを見て、前に進めていません」


 機械なのに、何を意図してか抽象的な表現だった。後ろばかり見ているのは僕だって同じだ。それがなければ、高いビルから身を投げ出そうだなんて考えもしなかった。あれは必然であり、今こうして生きていることこそが偶然だ。


 人はだれでも必ず死ぬ。続きを望んでも、いつかは終わりがくる。


 僕は怖かったのかもしれない。自分で終わりを決められない不安を彼女に強いてしまうことが。


「おや、動きがあったみたいですよ。行くのですか」


 モニタを見ると、少女が暗い夜道をどこへともなく歩いている。時刻は一一時四九分、日付けの終わりが近付いていた。そんな毎日訪れる当たり前のことに、急かされるように転送を仰いだ。




 頼りない空の明るさで海岸線が一望できる崖から、黒い世界を見下ろしている。埋め立てられた地形の最果てにそびえる人工の堤防が打ち寄せる波を砕いては、何かの鳴き声のように繰り返し耳元を揺さぶる。


 一番乗りのようだった。そこに来たのが僕だけではなかったから。転送の誤差で送り出された地が、奇しくも彼女の行き先になっていたのだ。


「行きたいところはないの」


 歩いてくるカグラは崖に立つ僕を見て、寝室の時とは違って、声を清々しくも大きく響き渡らせた。陸地の端に近付くに連れて、その足並みはゆっくりと、止まっていった。


「どこに来てもそれきり。まるで、ここで世界が終わっているみたい」


 しばらく、寝巻き姿の少女の横顔を黙って見つめていた。そこには喜怒哀楽では収まらない、別種の表情が浮かんでいた。楽しさ、苦しさといった分かりやすいものではなくて、目尻には不思議な光が灯っていた。


「あなたは、死ぬのが怖くないって言った。じゃあ、ここで一緒に死んでくれるの?」


 ああ、いつ死んでもよかった。しかし、はいそうですか、とはならなかった。


「きみは、あとどれだけ生きるか『わからない』と言った。ここで死ぬ予定だったのなら、なぜあの時そう言わなかったのか」


「何が、言いたいの?」


 その問いは怒りでも戸惑いでもなく、普段の話振りと同じだった。それだけに、続く言葉も詰まることなく、円滑にしゃべれた。


「急いで死ぬつもりでもなかったんじゃ、ないか」


「一緒だよ。今死ぬのも。この先のどこかで死ぬことになっても」


 そう言って、少女は海を背に、岬を歩き去っていく。彼女の言う通りかもしれない。納得したからこそ、僕はカグラヲチという人間にまた一段と期待したくなった。


 今度はどんな言葉を聞かせてくれるのか、を。それがどれだけ続くのかわからないとしても。




2)常連客

1/3

 朝、バイトへ向かう。いつもの時間に、いつもの道を通る。制服姿の少女と擦れ違う。何度も見掛けているはずなのに、この日は擦れ違う時に、微笑を浮かべて「おはよう」と言われた。振り向くと、彼女はずっと先の方に去っていた。進展、と言えなくもないか。あと、あの制服の高校はそことは逆方向だったと思う。


 バイト先の店長はいい人だった。無断で休んでいた僕を改めて、シフトに組み込んで働かせてくれた。おかげで、アパートを引き払わずに暮らせていける。クビになっても困ることはなかったが、受けた厚意には応えていきたい。


 仕事内容は訪れた客から注文を受けて、それを用意して提供するまでが一連の業務。その他、材料の補充や清掃をすることにもなっている。店員は僕とあと三名が雇われているようだが、明るい時間帯は奥で事務仕事をしている店長と、バイトの僕だけでお店が運営されている。


 混雑は滅多にしなくて、勤め出しておよそ半年以上経つから慣れたものだった。


 お店の雰囲気は落ち着いていて、客層も穏やかで気品のある人が多い。若者が来ることはまれなのだが、例外はある。


 午前の仕事が一段落すると、午後一時頃に「その人」は訪れる。あと二時間で上がり。彼女が来ると、いよいよ残り時間の認識が強くなってくる。


 この日も時間通りだった。カウンターに一名の若い女性客が着席する。


「いらっしゃいませ」


「いつものを、お願いします」


 彼女の言う「いつもの」は控えめに五つある。その微妙な言い方の違いを聞き分けられるのはほとんど毎日バイトに入っている事が理由だった。「いつも、のを」だとエスプレッソで、「いつ、ものを」だとカフェラテ、「い、つものを」だとカプチーノ。そして、「いつものを」だと……。


「お待たせいたしました。コーヒーゼリーでございます」


 自家製のコーヒーゼリーに業務用のバニラアイスを一二番ディッシャーで一杯、脚付きグラスに盛り付けたデザートだ。ちなみに、「いつもの、を」だとドリップコーヒーとなる。


 この前、僕の部屋に入ってきた時とは全く異なり、落ち着いた雰囲気をかもし出している。これがいつもの彼女の姿であり、涙を浮かべて崩れ落ちたような格好は極めて特殊だったのだ。


 次のアルバイトが来る時間帯に移る前に、下準備や補充、整理整頓などできることを進めておく。僕がカウンターの辺りを往復していても、その人は読書をしていた。通常なら、三〇分くらい滞在した後に支払いをされる。


 そろそろそのぐらいの時間が経過した頃だった。

2/3

「ごちそうさまでした。また、来ます」


 そう言うと、お会計をしてお店の外に去っていった。その様子は普段とは違っていた。毎日来ているのだから、改めてそう言わなくてもまた来てくれるのは判る。その言葉の真意はお店の外にあった。ガラス張りの店内から、通りの広場が見えるのだが、そこに先程帰ったばかりの彼女が立っているのだ。


 数十分経ってから同じ場所を見ても変わらずに、そこに立っていた。やがて、終業して僕が店を出る頃になると、広場からお店の方に歩いてくる。


「今日この後、予定がなければ、わたしの家に来ませんか? ほら、この前、突然お邪魔してしまいましたから。そのお詫びもしたいのです」


「お詫びなんて。別に、構わない」


 あれは僕に非がある。バイトを無断で休んでいたのもある上、高所から落下した夜に目撃されていたというのも落ち度だ。しかし、言葉のあやが生じたためか、常連客のイブにそのまま同行することになった。お詫びを辞退したつもりが、申し出を承諾する形になるとは。




 先導されて、辿り着いた建物はバイト先から遠くなかった。むしろ、歩いて数分で行けてしまう距離にあった。この近くには大学もあり、若い学生たちが歩いているのを帰り際よく見掛ける。


「ここです。さあ、どうぞ」


 真新しいマンションだった。間取りは広めで、リビング・ダイニングキッチンの他に二つほど部屋がある。きれいに掃除がされていて、広々としてよく片付いている。後から入ってくる彼女は玄関をしっかり施錠して、僕のものを併せて、脱いだ靴を揃えているところだった。


「どうぞ掛けてください。何もありませんが、すぐにお飲み物を用意します」


 居間は、食卓となる四角テーブルとイス四脚のセットと、三人掛けのゆったりした紺のソファーにガラス製の丸テーブルとで分かれていた。僕は食卓の方ではなくて、ソファーの奥側に詰めて座った。テレビといったデジタル機器は見当たらず、その変わりに本棚が壁側にいくつも置かれている。


 待っていると、台所から、イブがお盆にポットとカップを乗せて運んでくる。それらをテーブルの上に置くと、香りのよいコーヒーを給仕してくれた。そして、テーブルの近くに部屋の奥から持ち寄った座布団を敷いて礼儀正しく腰掛ける。


 コーヒーを取り扱うバイトをしているものの、普段はコーヒーを飲まないものだから、一口で苦味が相当に強く感じられて、すぐカップを置いた。


「コーヒー、苦手でしたか」


 せっかく淹れてもらったのに申し訳がなかった。

3/3

 言葉に詰まっていると、丸テーブルの端で少し離れて座っていた彼女は意外な事を口にした。


「じつは、わたしもカフェインが苦手なんです」


 僕は相づちを打ち、カップにもう一度口をつけた。やはり、苦い。


「でも、なぜでしょう……。ついつい頼んでしまうのです」


 こちらから視線を外し、その眼差しはテーブルの方に落とされる。それで確信した。何かおこがましいような、過信のような、分不相応な感情に取りつかれたような気がして、すぐにそれを取り去って元通りにしたかった。


 イブはすっと立ち上がって、本棚から本を数冊取り出し、テーブルの上に置いた。正座をしたまま読書を始めた。その姿があまりにも様になっていたので、つい見入ってしまう。


「どうか、されましたか?」


「姿勢が、いいな、と思って」


 ありきたりな感想だった。彼女は目を泳がせて、ページをめくる手もたどたどしい。その反応が新鮮だったので観察を続けていると、脚を崩して、読んでいた本をテーブルに置いてしまった。


「ミ、コメカワ、くん。その……」


 心なしか顔が赤い。言いづらそうになる人の方を見て、その続きに耳を傾ける。


「今日、ここに泊まっていっても、い、いいよ」


 明日もバイトはある。ここからなら自宅アパートよりも早く出勤できる。時間的な余裕は十分に持てる。僕としては、その誘いを受けられる。だが、イブがどういうつもりなのかは解らない。


「迷惑じゃ、ないのか。それに、男、だし」


「いいの。わたし、その。あのね、ミツ、コメカワくんのことが、その」


 大体察してしまった。その先はどうしても言ってもらいたくはなかった。言わせてしまったら、何かが大きく動き出してしまいそうだったから。


「光陽、でいい。僕は、きみを幸せに、する自信が、ない。それだけは、言っておく」


 伏せられていた顔が上がって、涙混じりに輝いた目がきれいに瞬いた。


「わたし、幸せだよ! ミツハル、くんと、こうして一緒に居られることが。そのためにわざわざ来てもらっちゃって。ありがとう、ございます……うっ」


 言われたことがなかった。こんな自分なんかと一緒に居て幸せだなどとは。人の迷惑にならないように気を付けて生きてきたつもりだったが、飽くまでもそれは争い事を作らない保身のためであって、特別に称えられたものじゃなかった。


 僕は立ち上がり、泣いている人のそばまで近寄る。


「ミツハル、くん?」


 姿勢のよい背中に腕を回し、温かな感触がする体をそっと包み込んだ。驚くほど容易く僕に倒れ込んできた彼女はただ、呼吸を乱して頬をぬらしていた。ただ「ごめん」としか言えなかった。僕のせいで、その悲しみは膨らんでいってしまう。




 日が暮れるまで、ずっと、二人は身を寄せ合っていた。


「ミツハルくん。わたしは、あなたと……」


 抱擁が解かれた時、そこにもう彼の姿はなかった。




3)The Last Even.

1/4

 バイト休みのある日。自宅で死んだように寝転がっていると、呼び鈴が鳴った。宅急便でも設備修理でも心当たりないし、出ようかどうか渋っていた。借金の取り立てや宗教の勧誘は来たことないし、どこのだれだろう。


 居留守を決め込むこと数分。呼び鈴は一度きりで、二度は鳴らなかった。


 一時間後。再び呼び鈴が鳴り出した。眠ることのない体を起こして、ようやく玄関先まで足を運ぶ。扉の上方真ん中にあるのぞき穴に左目を近付ける。その姿を見て、観念して扉を開いた。


「おはようございます。ミツハルくん、早速だけど上がっていいかな」


 赤のコートに身を包んだハナツカサイブの姿があった。耳の長い小動物を思わせる潤んだ目が印象的で、顔がとても濃い。不細工なわけではないのだけれど、女性として良い意味で飾らない純朴な面構えだ。所作に育ちの良さもうかがえて、悪意は感じられない。


 手荷物の紙袋を提げている。土産か何かだろうか。


 招き入れると、僕が布団を折り畳んで部屋の隅に退かしたくらいの時に、着ていたコートを脱いで折り畳んだ。とっさに、僕はハンガーを取ってきて、普段使っている外出用の服をまとめているラックまで勧める。


 温かそうな白いニットが体の輪郭をほんの少し大きく見せているものの、体型は標準的でタイツに被われた脚やスカートの腰幅からもうかがえた。対して、僕は部屋着のスウェット、ということになっている(衣類はロボットから渡された光沢あるつなぎの“擬態”のみで足りている)。


「メリークリスマス。ちょっと早いけど、はい、これ」


 言われてから、ようやくこの日がクリスマスイブだと思い当たった。死んだように過ごして終わるところだったが、これまでも大した事をしてこなかった。


 紙袋から取り出して、中身である小包を両手で差し出してくる。


「ありがとう。開けても?」


「ええ」


 包み紙を端からほどいていく。箱に入っていたのは、「クトゥルフ神話TRPGセット」という妙に凝った空想上の生物が描かれたよく解らない玩具だった。それをじっと見ていたら、イブが声を震わせて話し掛けてきた。


「こ、こういうの……うれしくなかった……?」


 僕の顔が、イブにはそういうふうに見えていたのか。反応に困ってはいたが、心配されるようなことはなかった。


「そんなこと、ない。ありがとう。クトゥルフ、ってなんなのか、考えていたんだ」


 ラブクラフトという小説家の作品を元にした、ホラー要素のある物語を題材にした神話全般を指すそうで、その世界観を元にしたテーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム……がプレゼントの正体だと、説明された。


「一緒に、遊ぼうか」

2/4

 イブは無邪気な笑顔で頷いた。


 午前中は二人で「クトゥルフ」というのをやった。奇妙な世界観に、形容しがたい肌触りを感じた。彼女もまた怖がって、時々僕の体に触れたり過呼吸になったりと正気の沙汰ではなかった。その合間、合間に世間話を挟みながら。彼女は普段、大学に通っているらしく、高校を卒業してフリーターになった一九の僕とは同い年らしい。


 生まれた年が同じと分かると、誕生日の話題になった。十二月生まれだと告げると、ゐ舞もまた同じだという。


「じゃあ、何日か言い合いっこしてみよっか。せーの」


「二四日(光陽の声)/一八日(ゐ舞の声)」


 答え合わせをすると、僕は十二月一日生まれであり、彼女は二三日生まれだと判明した。名前から推理したつもりだったが、的中しなかった。


「わたし、元々二四日の朝方に生まれる予定だったみたいでさ。でも、予定よりも早く陣痛が来て、二三日の夜中に生まれて、用意してあった“ゐ舞”って名前が意味をなさなくなってしまった、というわけです」


 生まれた日付にちなんだ名前ならではの逸話だ。


「でも、結局、他に思い付かなくて、ゐ舞になったんだって。えへへ」


 細かいことにこだわらないおおらかさが見て取れた。きっと、明るい家庭で育ったんだろうな。これからも、そういうほのぼのした世界で幸せに暮らしていてくれればいい。


「光陽はついたちなんだね。かっこいい」


 別にそんなことはない。等ということを話して、過ごしていた。




 僕はゐ舞を連れて、街に出掛けていた。サンタクロースの格好をした売り子が登場する度に、彼女のコートもまた赤いから、彼らの仲間みたいだった。わざわざ寒空の下、誘ったのにはわけがある。


 立ち寄ったお店で昼食を取り、公園で空を眺めては雪の降るか降らないかを話し合った。ゐ舞をそこに待たせておいて、わずかな時間でこっそり雑貨店に立ち寄って、よさそうなマグカップを選んで購入した。箱に入れたまま紙に包んでもらい、それを片手にまた公園に戻った。


 しかし、そこにゐ舞は居なかった。


 モニタ部屋に転送して、モニタを使って捜すことにした。そこに居たロボットは待ち構えていたように、立ち塞がった。


「ハナツカサイブなら、先程死亡しました」


 死んだ、のか。あの一瞬で。あの数分で。ほんの少し目を放した隙に。手に持っていた包みは床面にこぼれ落ちた。鈍い物音とともに、四角の角が一つ、へこんで無様な形になっていた。

3/4

「どう、して」


 なぜ、僕じゃなくて彼女なのだろう。


「轢死です。無人車両専用道路に飛び出した子供を守るために、搬送用ドローンから身を呈して助け出したのです」


 では、仕方ないか。仕方なくなんかない。だけど、仕方ない。僕は思いのほか容易に納得する。きのうきょう生きていた人間が、あしたもまた生きている保証はない。望もうと、望むまいと、死はだれの目の前にも現れる。それが偶然、華司ゐ舞だったというだけで、これが現実だ。


 しかし、死んだ人間が甦った例に覚えがある。


「あの子には、与えられないのだろうか。所有権を得る、という条件付きで、新しい生命(いのち)は」


「申し訳ありません。あなた方の選考条件に関しては閲覧レベルA、一部開示可能であり、全容はお教えできません」


 その可能範囲とやらでは、一度死んで甦らされた僕たちの共通点は「自死していること」と「脳波に一定の規則性があること」だけが開示された。規則性というのはいわゆる思考パターンで、常人ではとても該当し得ないものらしい。むろん、あの純真なゐ舞に当てはまる要件ではなかった。


「そもそもハナツカサイブはあなたに適した所有権の譲渡者ではありませんでした。気を落とさずに、いきましょう」


 ロボットの声に、晴れない怒りが喉元に張り付いていた。だけど、僕にはそれを爆発させる手段がなかった。声にも、力にも、感情の働きは伝わらなくなっていたのだから。目覚めてから、ずっと。




 誤差なく行ける自室に転送されて戻ってくると、クトゥルフのゲームが片付けて、部屋の中央に置かれていた。もう使うこともないだろう。おもむろに拾い上げたそれを台所のゴミ入れに持ち込もうとした時、箱の隙間から紙の角がはみ出している。


 気になってそれを引っ張り出すと、封筒が出てきた。いつの間に。


「拝啓 師走の候 ますますご活躍の事とは存じております(いつも見ています。お店で)。今日はお部屋に押し掛けて、招き入れてもらえるかドキドキしています。でも、これを読んでいるという事は、わたし、楽しいクリスマスイブを送れたんだなあ。我ながら羨ましいぞ、このこの! ごめんなさい、手紙を書いているそばからはしゃいでしまいます。

 さて、あなたに伝えたいことがあって手紙にしたためました。あなたはおぼえていないかもしれませんが、三か月前くらいに、道端で困っていたわたしを助けてくれましたね。たしかあの時、――


(中略)

4/4

――その時以来、やさしいミツハルくんの事をずっと意識するようになりました。できるなら、死ぬまでずっとあなたのそばに居たい。どうか怖がらないで。たとえ、あなたが死ぬことを望んでいても、わたしはあなたを決して忘れません。ですから、これからもどうかわたしと、たあいないお話でもしながら、四季を過ごせていけたらいいな。

 これからはあなたをわたしが幸せにするから! かしこ

追伸 わたしのことは気にしないで」


 九月……。ああ、あれか。戸惑う彼女の手を引いて歩いた記憶が思い出される。あの時、ああしていなければ、ひどい目に遭わされていただろうから。そんなので男性恐怖症になんかなってたら、女としての幸せがとかなんとか、考えていたんだっけ。


 読み終えた手紙もろとも、ごみ箱に放った。仕方ない。これでもう、僕は華司ゐ舞とは関わりを持つこともない。どうしてこんなにすっぱり割り切れるのか。不思議と抵抗はなかった。死は抗うものじゃないから。死は悔やむものじゃないから。死は常に受け入れられるものだから。気にしないで、とあったから。


 腑に落ちることと腑に落ちないこと。それぞれあるけれど、仕方ない。




 一人で街を歩いてみた。素知らぬ顔で人並みは過ぎていく。時計の針が動くのと同じで、普段と変わらない日常が続いていた。そう、これでいい。だれが居なくなっても、きっと同じように、世界は回っていく。悲しいよそよそしさのはずなのに、変わらない不干渉がどこか安心させられる。


 立ち寄る店、歩いている雑踏、どれもが確かに生きている。それでこそ所有権は鈍い光を放って、僕にもう少し考える時間を与える。そろそろ、日が傾いてくる。自宅の方に向き直って、今まさに歩みを始める。


「コメカワサマ。一度、戻られてはいかがでしょうか」


 突然、頭の中でロボットの声がした。人通りの少ない通路まで移動して、言われた通りモニタ部屋に転送された。


 いつもなら緑色だけの照明が、いくつもの線で繋がった赤や青の小さいLED電球が加わって、イルミネーションのように壁が光っている。


「メリークリスマス」


「何の、真似だ?」


 ロボットの装いもサンタクロースを意識したものになっていて、顔部分に白いヒゲを思わせる追加パーツが取り付けられている。頭には、道路等で使われる赤いパイロンが無造作に被せられている。


「コメカワサマが元気になってくれたら、と思いまして」


 能天気なロボットの言葉は無性に僕をイラつかせたはずだったが、なぜだろう。不思議と、そんな細かいことにこだわらなかった。まるで、だれかに言い聞かせられているみたいに感じられて、この瞬間だけは素直にこの明かりの飾りを見て、きれいだと思った。


「ありがとう」


「どういたしまして。早速ですが、モニタを見てください」


 僕が所有権を欲しいと感じられる人物が現れでもしたのだろうか。少しは興味を持ってもいい。終わる時が来たなら、その非情さもすべて、支配してみせる。




4)午後9時47分

1/4

「うん、ありがとね。これでなんとかできそう」


 そう言って、厚手の封筒を受け取る若い女性の姿がある。人通りの少ない路地の一角で、男女が受け渡しを行っている。


「気にしないでください。あなたのお役に立てたなら、うれしいです」


 彼女よりも年下だと分かるあどけない顔をした男子高校生が去っていく。その後ろ姿を見送ると、封筒の中身を事細かに数えている。紙幣の札束だった。大人の取り扱うそれに比べて厚くはないが、まとまった額が入っている。


「チッ、たったの一八か」


 文句を言いながら、金が抜かれて空になった封筒をその場に放る。表面には「絵梨香さんへ」と添えられていた。




 女性に金銭を渡した後、歩いていた男子高校生はその後も足しげく、アルバイト先と思われるお店の裏口から入り、着替え始めていた。夕方から始まり、お店の仕事に取り組む。その姿は苦学生を思わせる、かいがいしさがある。失敗をしても文句を垂れず、黙々と役割をこなしていく。


 そうして夜になると、その足で自宅へ向かっていく。


 朝が来たら学業があり、高校生としての一日が始まる。学校での彼は授業中に居眠りをしては次の時間にも遅れたり、昼休みになっても何も食べないで過ごしたりと、成績が悪く内申点も優れない、学生としての立場は芳しくなかった。


 放課後からアルバイトに出て、家に帰って眠りに着く。


 その繰り返しの中に、自分を省みる行動はおよそ一つだってなかった。自身よりも年上の女に献身的な援助を行い、感謝の言葉が返ってくる。

 

 月に一度だけ、放課後に会える若い女性。いつも封筒をもらうためだけに限られた場所のみに姿を現し、彼が身を削って集めたわずかな、それでも学生にとっての大金を遠慮なしに受け取る。その名目は精々、生活に困窮しているという筋書きによるもの。


 生活困窮という口実は当然、彼女の使っている宍戸絵梨香もまた嘘に塗り固められている。偽名だ。そうした資金援助者は一方に関わらず、東西南北あらゆる方面にも控えていた。月の下旬に金を集めては、まとまった額を口座に貯めていく。自らは働くことなく、上手に立ち振る舞っていることが絵梨香にとっては唯一の労働だった。


 その活動はさかのぼると、彼女が中学生だった頃から続けられているもので、その最初期は危険を伴うこともしばしばだった。

2/4

 鹿築ゑ瑠寡は厳格な父母のもとで育てられ、学校では学業も運動も優秀な成績を修めていた。容姿は端麗、健康状態にも不具合は見当たらず、まさしく理想的な女性として、異性からは好意を寄せられ、同性からは羨望の眼差しを向けられる、逸材だった。


 彼女はだれに対しても分け隔てなく協力的な姿勢を示し、責任感も人一倍強い。クラスメイトからの信頼は厚く、教師たちからは模範的と評され、学内でも中心的人物だった。


 ある出来事を境に、そんなゑ瑠寡の日常は一変した。


 それはゑ瑠寡が中学三年の夏だった。当時、彼女は特定の男子とよく行動を共にしていた。交際にまで発展していなかったのは、育ちの違いによるものだ。飽くまで、学生という自覚が強いゑ瑠寡は、男女として行き過ぎる事を制して、清い付き合いを望んでいた。


 こうした、交際とは言い難い連れ添いは数にして二〇人を超える。だれよりも優れた能力を持ち、美しい姿をしている女子だったにも関わらず、いざ時間を共にしてみると、男たちは自ら離れていった。


 そんなゑ瑠寡をただ一人、深く理解していた男が居た。


「梳哭(くしなき)くんの食べているそれ、少しもらってもいいかな?」


「おう。少しでいいんだな、全部でもいいぜ」


 舟型の入れ物にたこ焼きがたくさん入っている。よく見ると舟は重なっており、その内容であるたこ焼きも倍盛りになっている。したがって、つま楊枝は二本突き立っていた。


「全部? 食べられないこともないけど……太っちゃう」


「ばーか、冗談に決まってるだろ。……食いたいんなら、ほんとに全部やるけど」


 浴衣に身を包んだゑ瑠寡に伴っているのは、梳哭と呼ばれる、高校生と見間違うほどに背の高い、体格のいい少年だった。彼女と一緒に居る男子としては最長の十か月を迎えていた。育ちのよい女子に遠慮も気兼ねもせず、ありのままの自分を見せて、無邪気に接している。どの男子にも共通しなかった大胆さだった。


 多くの見物客で賑わうお祭りの日に、談笑をして屋台巡りをしている二人。


 日没から数時間と経っていくと、夜は深まっていく。次第に人通りも減ってくる。門限を定められているゑ瑠寡はこの日だけは特別に午後九時までは外出を許可されていたのだが、時刻はすでに午後八時五七分を指していた。


 巾着袋から取り出した懐中時計を見ていたら、そこでついにゑ瑠寡は違和感に気付いた。

3/4

「時計なんか見て、どうした?」


 辺りにはだれも居なかった。いつの間にか、屋台の周辺の客たちははけて、近くのお店も無人である。状況を理解した少女は梳哭の声に、愛想笑いがこぼれる。


「家に帰らないと、お父さんに怒られちゃうな。もう行こうよ、梳哭くん」


「ん? ああ。家にはちゃんと帰してやるよ。その前に、お前にはここでやってもらうことがある」


 語調を強めると、そばの茂みから物音がして、一人、また一人と現れる。そのどれもが中高生くらいの少年で、梳哭の後方に集まる。


「手始めだ。お前ら」


 アゴで促すと、数名がゑ瑠寡を取り囲んだ。一人が彼女の腕に掴み掛かる。囚われの少女はそんな少年の顔を憐れむ目で見詰めていた。


「ミズグチくん……」


 掴む彼の腕から力が抜けていく寸前に、次の男子がもう片方の腕を取り、相手の自由をさらに奪った。ゑ瑠寡は最初から抵抗する素振りも見せず、ただ涙ぐんでいるだけだった。


 やがて、三人に拘束された少女は社の裏側にある空き地へと連れていかれた。


「よし。準備は整ったな。おい」


 リーダーの号令に従って四人目の手下がビデオカメラを構える。その時、ゑ瑠寡の右腕を掴んでいたミズグチが身を乗り出した。


「や、やっぱりやめようよ。なっ、おまえらもこんなの間違ってるって思うだろ?」


 良心の呵責(かしゃく)に訴える言葉は、梳哭から手の動きによる指示を受けた覆面姿の五人目が彼の腹部に拳を叩き込んで終息した。激痛にうずくまるミズグチを見詰めて、ゑ瑠寡は溜め込んでいた涙が溢れ出す。


「大丈夫!? ミズグチくん! ……私はどうなってもいいから、『他の人には』手を出さないで」


 思いやる言葉も虚しく、負傷したミズグチに代わり四人目が前に進み出て、彼女が逃げないようにその腕をしっかりと掴む。主犯の梳哭が口を開いた。


「おいミズグチ、オメエがカメラを回すんだ。できるな?」


 返事もなく立ち上がると、ミズグチは感情のない声で「はい」と答えて四人目からビデオカメラを受け取った。改めて準備が整ったと言わんばかりに、梳哭が目隠しを取り出して、士気を奪っていた少女の目元にフタをする。そして、彼女を取り押さえている三名には前後ろ逆の覆面が被せられ、視界が完全になくなる。


 総勢六名によって、そこで行われていたのは十代の少年少女には想像もつかない暴力行為だった。繰り返し殴り蹴られ、膝を着いては立たされて、全身を痛め付けられる。とっさにもれるあえぎ以外は押し殺し我慢していた少女だったが、拷問の度合いがますます強くなっていくに連れて、悲痛な声が出てくる。その口を押さえて、さらに酷い苦しみが加えられていった。


4/4


 一時間後。顔と局部以外すべてを痛め付けられた少女の装いは乱れて薄汚れていた。「撮影」に参加した五名はすでに去った後だった。彼女は力なく横たわっており、目に見えて衰弱していた。


「ヘッ。最初は味気ないと思っていたが、まあまあよく撮れてる。ありがとよ」


 倒れているそばで梳哭の見返しているビデオカメラから、その時に録られた声が小さく聞こえている。とても日常で耳にすることのない、絶望が込められたもの。


「……ミズグチくん、キノタカくん、オサフくん、ネツリくん……それと、ハツキくんは、どう、なるの」


 むしの息と共に、消えそうな声が問い掛ける。 


「ほお、顔隠してたハツキまで覚えてやがるとはな。そんなところも、ムカつくんだよ!」


 不意に腹を殴打され、ゑ瑠寡の口から血が勢いよく吐き出される。咳き込みながら、なんと地面に手を着いて体を起こす。


「ゴッホ、ゴホッ。……返、答、次第、では、私、は、あなた、を、許さ、ない」


「ハッ。知れた事。これがまとまった金になれば、あいつらにはもうひと働きしてもらう。そういう『契約』なんだからな」


 答えると、梳哭はビデオカメラを手持ちの鞄に片付けて、立ち上がる。


「そ、う。ゴホッ。お金、が、欲し、かった、なら、用意、して、あげた、のに」


「それじゃあ意味ねェ。共犯のあいつらもいざという時の担保にはなる」


 死に掛かっていたはずの体がすくっと起き上がって、欠けて尖っている親指の爪が梳哭の目元に突き立てられている。そして、体格差のある男子を鬼の気迫で睨む。


「貴様ッ!!」


「やめときな。……これからもお前はオレのおもちゃだ。ミズグチたちを守りたきゃ、言うことを聞くんだ。利口にしてれば、悪いようにはしねェ」


 顔色一つ変えず、梳哭は夜の闇に溶けるように消えていった。ヒビの入った懐中時計は午後九時四七分を指して止まっていた。




 時戻り、凛々しく夜の街を見据えるその瞳にはかつての優等生の輝きはなかった。歩いて、路地裏に作られた出入り口のある建物に入っていく。薄明かりが照らす看板には「HOME」と、書きなぐったような書体が記されている。


 なんらかの目的のために金をかき集めて、そのためなら非情な手段も辞さない。ここまでくるのに裏切った人は数知れず、多くは彼女の本当の素性すら知らない。


 大勢の男が集まった何の変哲もないバーの部屋に入るや否や、端整な顔付きに不釣り合いな大声を上げる。


「いいかい、おまえたち! 今度の目標はAW24789Z、対象は飯柿貫沢大学人類学特認教授。こいつを押さえればMWYにぐんと近付く。気合い入れていけよ!」


 歓声を上げる男たちの中には、すっかり勇ましい面構えのミズグチらしき人物の姿もあった。彼だけではなく、他にもゑ瑠寡の知っている少年たちが居合わせている。しかし、そこには梳哭だけが居なかった。


 部屋の奥で着替えを済ませたゑ瑠寡はライダースーツに分厚いコートを羽織り、銃器や鈍器の類いで武装している。内容が印刷されたばかりのA1の紙を張り出して、何かの作戦を説明している。


 それが十九歳の鹿築ゑ瑠寡の本当の姿だった。

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