第12話 妊娠と進学とのバランス
*
僕が一足先に大学に進学して半年が過ぎた頃
「ねえ、あと半年我慢できなかったの」
「面目ないです」
*
彼女が進学してから同居するそれまでは通い妻で頑張る。
そんな、当初の目標はあっという間に反故にされ、いつの間にか我が家で暮らし始めた。
理由はいたって簡単。
「だって君モテるから」
ちかいわく、
『目を離すと浮気をする』とか
そんな、息をするように女の子を引っ掛けるようなこと言われても
困ります。そんなに思うほどもてないから!
そうして新婚生活が始まった。
正直毎日天国です!生きているって素晴らしい!
そんな浮かれた2人に突如現実が突きつけられた。
「まあ、やることやってたらそうなるよね」
「とにかく報告しなくっちゃ」
「うん」
*
そして彼女の実家にいる。
「いやー20週だって」
「おめでとう!あなたたちも親になるのね」ありがとうございます。お義母さん
「おめでとう。娘のこと泣かせたら・・・わかるよね」はい、魚の餌ですね。
*
学校と話し合った結果、卒業は可能ということだった。結構ギリギリだけど。
「よかった」
「もう少しだたからね」
頑張って卒業しなくちゃ
*
卒業を間近に控え、出産と受験が重なっていたある日、彼女はこう切り出した。
「あたし大学行くのやめるから」
訳を聞いたら意外なことだった。
元々進学する予定ではなかったらしい。ならどうして進学を?
「君のそばにずっといるためよ、忘れたの」
確かにそんな約束してた。でもそれって。
「まあ、他にも理由はあるよ。君の周りって可愛い子いっぱいいるんだもん」
いやその最たるのがあなたですよ! あなたより可愛い子はいないと思う
「それに最近あの子から声がかかっててね。また一緒に音楽の仕事やらないかって」」
元カノか!
いかん眉がピクッとなる
「そう。今度会社立ち上げたんだけど、一緒にやりたいって、在宅でも出来るようなの。それなら子育てしながらでも出来るでしょ」
その事は知ってた。この会社はちかの為に彼女が設立したんだから。
「この事は内緒だよ」
以前交わした約束を思い出した。
心配しないで、いきなり取ったりはしないから。
「どっちが役に立っているんだろ」
それでも選ばれたのは僕なんだ。
それだけは間違いない
「ねえ、名前なににするかきめたよ」
私達の運命の出会いも参考にして
「
「うーんそれも捨てがたいね」いや冗談なんだけど
「しずか」はどう?
雫と ちか を合わせて しずか
「いいかも」
「でもそれじゃ女の子しか当てはまらないよ」
「それじゃあ、シズオなんてどうかな!」
ぶふぁあああ
僕は持っていたお茶を盛大に吹き出した。ちょっと止めてよ
彼女はお腹を引くつかせて笑ってる。
苦しそうにぱんぱんって床を叩いて。
「ちょっと大丈夫なの」
お義母さんが心配そうに彼女の側に駆け寄る。
「大丈夫。うちの旦那様が可愛くて」
「僕可愛い?」
「そうね。それはおもうわ」お義母さま!?
「うむ。あまり男臭くはないな」 あれー
「僕って可愛いのか?」
「知らなかったの?」
はい今まで
よかったわ。結婚してて。
無自覚でたらしは、いつか刺されるよ
その後、似合うからと言って彼女の高校の制服まで着せられた。
感想は言いたくない
「やばい!好みかも!」
そんな不穏な発言ちかちゃんから聞こえて、
「そうだアイツにも送ってみよう。きっとタイプよ」
アイツって誰ですか! かちかちゃんの元カノですか!
「あの子、こういう清楚系がどストライクなんだよ!」
急に3◯Pが現実味を帯びてきたので、
「僕は彼女一筋だから!」と、あふれる煩悩に僕はそっと蓋をした。
後日3人で集まってると例の写真絵を見せてしまった。
「うっそ!マジ可愛いよ。今度それ着てデートしよう!」
と不倫を誘発する言動があったので、即刻ちかちゃんに鉄拳制裁を受けた。
「痛たた。でもこれ待ち受けにしたい!お願い!」
「・・・まあ、それくらいなら」
「ありがと!」
それがさらなる喜劇の始まりとも知らない当事者は、
「ねーねー今着て見せてよ。ねえってば」
何この人おかしいんじゃないの
「昔からそうなの」
へーそうなんだ。
「まいっか、これからそう関わることもなさそうだし」
「ちょっとでいいからさ!先っちょだけでいいから!」
何この歩くセクハラは
「気にしたら負けよ」
「はい、そうします」
ねってばー!
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