第13話

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俺ら2人が下に降りると、すごく食欲をそそるいい匂いがしていた。

ダイニングに入ると綺麗に整えられたテーブルにとても美味しそうな料理が

3人分置かれていた。

隣にいた零無は料理を見て「美味しそう…。」と呟き、目を輝かせていた。

妹はキッチンで後で楽にするための後片付けを行っていた。

「じゃあ、先に座ろうか。」と零無に声をかけ、俺の隣に零無が座るようにして座り、妹が来るのを待った。

その後片付けも終わり、妹が一度テーブルまで来て「おにぃ、先に食べてたら良かったのに。」

いつも妹が来るのを待っている俺に妹が言うある意味口癖になっているようなのだが、

それに俺はいつも「別にいいじゃないか、一人で食べるより、麗奈と食べる方が美味しく感じるんだ。」と答えている。

妹はそんなキザなセリフに照れていた。

まあ、それも短く終わって、着けていたエプロンを外しエプロンを直しにまたキッチンへ行った。

それを見て俺は、妹が流石にチョロくないか…。

変な人にたぶらかされないか、お兄ちゃんとしてすごく心配なんだが。

とかなんとか心配をしているうちに、妹が戻ってきてテーブルの前に座った。

その事に気づいた零無は緊張しているのか浮かない顔をしていた。

俺的には、ご飯を食べたいのだが。

よし、思い切って「とりあえず、名前だけ話して、詳しいことはご飯食べてからにしないか?」と提案してみた。

二人は最初驚いた顔をしたが、すぐに優しく微笑んで

「私はいいと思う。」「うん、私もいいと思うよおにぃ。」と同意してくれた。

「じゃ、じゃあ、私から…。」と零無が話出した。

「えっと、零無です。よろしくお願いします。」

畏まった感じでの挨拶だったので、緊張しているのだろう。

そんな零無に、妹は優しく微笑んでいた。天使か。

「おにぃがいつもお世話になってます。麗奈って言いますっ。

零無ちゃんめちゃくちゃ可愛くて感激!!家のことなら何でも聞いてね、

よろしくっ。」

天使のような笑顔に神対応。可愛過ぎる。妹天才じゃん。

滅多に取り乱さないのに、これはいいことだな。

「二人の自己紹介も終わったし、食べようか。」

「ちょっと!妹にやらせておきながら、おにぃがやらないなんて違うと思う。」

零無に助けを求めようと思って見ると、めちゃ縦に首を振ってた。

ヘッドバンギングみたいでシュールだ。拒否権はないようなので

適当に済ませよう。

「しょうがない。俺は佐々木だ。」


「いやいや、佐々木は名字でしょ…。」

「嫌だ!俺は佐々木くんとかって呼ばれたいんだ!!」

「えっ…。」零無がすごい顔をしている。

あ、やってしまった。

「とりあえず食べない?」零無が助け舟を出してくれた。

ありがとう。

「そうだね、食べちゃお!」

「「「いただきます!」」」

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多分ラブコメでファンタジー気味の物語 香涼宮音 @tokageduti1

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