第8話

零無が俺の部屋に入って、お宝探しをしていたのでからかっていた。

「ただーいまー!」

明るく元気な妹の声が聞こえた。

や、やばい。妹に今バレたら面倒になる。「ま、まずい。すぐに零無は寝る部屋に戻れ!」零無を泊まらす部屋に移動させ、妹を出迎えに下の玄関へ向かった。

「おかえり、麗奈れいな。」と声を掛ける。

妹改め、麗奈は「ん、おにぃただいま。」と素っ気ない返事をする。

急にテンション下がったかと思うが、これが通常だ。

さっきの明るかったのは、誰もいないと思い、油断してノリノリで帰ってきた恥ずかしいところなのだ。それが聞かれていたことに羞恥心を持ち、その照れ隠しと、思春期というので、あまり俺にニコニコ出来ないらしい。

そんな妹が可愛すぎる。妹が可愛すぎる。

「そうだ、今日も夕飯お願いしていいか?」

「え、いつものことじゃん。なのに急にそんなこと言い出してなんかあった?」一瞬で見透かされてしまった。

「俺と麗奈、それと…、れ、いや、友達が家に来ているんだ。そいつも一緒に夕飯食べても構わないか?そしてそいつの分も作ってやって欲しい。頼めるか?」「もちろん。3人分が4人分に変わるくらい造作もないよ。」「助かる。ありがとな。」

さすが料理上手な妹だ。思わず褒めたくなるところを頭を撫でることで抑えた。「そういえばおにぃ、友達って誰?」

「あー、えっとな、それは夕飯の時でもいいか?」

「別にいいけど…。」今教えてくれないことに不服なのかちょっと不貞腐れた。可愛い。

ごめんな、後でちゃんと言うから。

「何度も言うけどありがとうな。」

「別にいいよ。家族だし。」ぶっきらぼうな言葉に見えて、凄く繊細な妹の気持ちが伝わってきて思わず微笑みがこぼれる。

「そうだな。」

俺は優しくて、可愛い妹が誇らしい。自慢の妹だ。俺がシスコン?当たり前だろ、俺がシスコンじゃなかったら、シスコンが激減するわ。

妹は、あっ、と思い出したように、「おにぃ、私部屋に戻って着替えたら夕飯の準備するからまた後でね。」急に上へ上がって行った。

「あ、ああ。また。」急にどうしたんだ…?

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