第9話

部屋に入りドアを閉め、制服をするすると脱ぎ、そして、お気に入りの部屋着を着る。

ふわふわとしたデザインからお家でゴロゴロする用に見える。

しかし、ゴロゴロするためでは無いので、早々に部屋を出て、

キッチンに向かいながら、肩の長さ程の髪をサッとまとめて結ぶ。

キッチンに着いたら上の棚を開けて、エプロンを取り出し、着用する。

これが、おにぃ改め、お兄ちゃんの代わりにご飯を作る時の状態だ。

「さあ、作ろうか。」

私は今日の献立を組み立て、献立に使う食材を冷蔵庫から取り出していく。

今日はお兄ちゃんのお友達(多分)が来ていて、ご飯を食べていくということ

だから、人数分しかない魚ではなく、ある程度の量がある、ハンバーグに

することにした。それにあまりお兄ちゃんが友達を連れてくることはないのでせっかくだから少し特別仕様にしておこう。

テンポ良く玉ねぎ、付け合わせの野菜、味噌汁の具を切っていき、

横に避ける。玉ねぎは飴色になるまで炒める。

味噌汁は、味噌汁の具材、水、出汁を入れ、一度火にかける。

次に牛肉と豚肉を用意して、合い挽きミンチにしてしまう。

ちなみに7:3の黄金比だ。肉をミンチにしたら、ボウルにミンチと、

つなぎとして、玉ねぎ、パン粉、豆乳、卵、そして味を整える胡椒を入れ

よく混ぜ合わせてひとつの塊にし、冷蔵庫に入れて生地(パティ)を固くする。

下準備は完了だ。

そういえば、白米を炊いていなかった、炊かなくては。

米を研ぎながら、お兄ちゃんはなぜ友達を直ぐに紹介しなかったのか…という疑問を残しながら料理を進めていった。

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