第3話

あっ、そういえばモリゾウさんに店の名前聞くの忘れてたな。


モリゾウさんのことだから、たぶんいつものラークに行ってるんだろう。


ツギモトは駅から電車でラークのある和泉府中まで行くことにした。


駅から降りツギモトはラークまで歩いた。


たしか、この角を曲がればあったような。


あ、あったあった。ここだ。


ラークの扉を開け、中に入った。


すいません。モリゾウさんいますか?


モリゾウさんなら奥で女の子とカラオケしてるわよ。あなた、ツギモトくんじゃない。さあ、中に入って。


ありがとうございます。ではおじゃまします。


…あっ、モリゾウさん!


おう、ツギモト遅かったな!


来なかったらクビにしてやるとこだったぞ。


まあ、一杯飲め。


僕はすぐ帰りますので…


なんだと、お前俺の酒が飲めないのか?!


(完全に出来上がってるな。)


それじゃあ、一杯だけいただきます。


ゴクっゴクっ…


それではこれで。


まだだ、もう一杯だ。


でも、…


いいから飲め。


はい。


まあ、座れ。



(ああ、完全にモリゾウさんのペースにハメられたな。)


ツギモト、お前金は持ってきたんだろうな。


ちゃんと持って来ましたよ。


だったらいい。


ツギモト、カラオケなんか歌えよ。


そうですね、だったら山崎まさよしのセロリを。


古いな。


いいじゃないですか。


まあ、いい。


育って来た環境が違うから、好き嫌いはイナメナイ〜♪


夏がダメだったり、セロリが好きだったりするのね〜♪


ましてや男と女だから、すれ違いはしょうがない〜♪


妥協してみたり、多くを求めたりなっちゃうね〜♪


ツギモトの人生観でてるな。はっは。笑



モリゾウさんそろそろ帰りましょうよ。


そうだな。帰るとするか。


ええ、もう帰っちゃうの、モリゾウさん。


ああ、明日も仕事があるからな。


いくらになる。


25000円になります。


じゃあこれ。


すいません。モリゾウさんいつもありがとう。


(ぼったくりだな。)


じゃあ帰るよ。


扉を開け、モリゾウとツギモトが外に出ると雪が降っていた。


おっと…


モリゾウさん大丈夫ですか?


ちょっと今日は飲み過ぎたな。


ちょっと座ろう。


僕、タクシー呼びますね。


ああ、頼む。


すいません、ツギモトですが。府中駅近くのスナックラークまで車一台お願いします。


はい、ツギモトさまですね。5分ほどで到着しますので、お待ちください。


モリゾウさん5分くらいで来るみたいです。


ああ、ふぅーー、


モリゾウさん寝ないでくださいよ。


困った人だなあ。


ああ、寒いな。



あっ、車が来た。


カッチカッチカッチ


ツギモトさまですか?


はいツギモトです。


お待たせ致しました。どうぞお乗りください。


モリゾウさんタクシー乗りますよ。起きてください。


ああ、



すいません、堺までお願いします。


わかりました。



モリゾウさん大丈夫ですか?


ああ。

















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