第23話 貴女のゆく末は『破滅』

 今朝、更新に『不備』があり、以前の話を載せてしまいました! 誠に申し訳ござません! 寝ぼけてましたm(_ _)m


 ◆ ◆ ◆


「星見……結愛……!」


 さっきまで震えてたクセに、はるかは顔を歪ませて私を睨んだ。


「還らないの? 早くしないと穴、閉じちゃうよ? せっかく“お膳立て”してあげたのに」


 パシッ! 瑤は私が差し出した手を、乱暴に払い除けた。


「ハッ! 貴女の施しを受けるくらいなら、死んだ方がマシよっ」


 多分、本心だろうね。この娘は『こっち』で、私と決着をつけたいみたい。同時に私は、この娘はるかと『絶対に分かり合えない』不倶戴天ふぐたいてんの間柄だと理解した。


 そんなやり取りをしてる間に、穴は閉じてしまった……。


「あーあ、閉じちゃった。『最後のチャンス』だったかもしれないのに」

「そういう貴女は、なんで還らなかったの? まぁ逃げられたら、私が困るのだけど」


 あれほどの差を見せつけられても、まだ諦めてないらしい。その根性だけは、見習いたいね。


「あいにく、他に『やること』が出来てね。ていうか、私より自分の心配をしたら?」


 瑤はしばらく私を睨んでたけど、ジョルジュと一緒にすごすごと逃げ帰った。連れてきた兵士を置き去りにして。

 私には鑑定スキルが『進化』して、ほんの少しだけど『未来』が視えた。瑤はジョルジュを抱き締め、静かに横たわってた。


 あの様子だと、野垂れ死んだってところかな? そんな事より……


「ジョッシュ……!」


 私が駆け寄って、声を掛けると彼は「ん……」と意識を取り戻した。よかった……大したケガはないみたい。


「ユウナ……? 無事なのか?」

「それはこっちの台詞だよ! でも本当によかった……」


 安堵あんどする私を、彼はまじまじと見つめた。


「何故だ?」

「へ……?」


「俺はぼんやりとだが、意識があった。何故、元の世界とやらに還らなかった? あれだけ強く望んでいたのに」


 彼は私が還らなかったのが、不思議で仕方ないみたい。私はそんな彼の手を握った。


「あなたを放っとけるわけないでしょ? 何度も助けられたのに」

「そんな理由で残ったのか? もう二度と還れないかもしれないのに」


 自分のことより、私を心配してくれるなんてね。


「大丈夫だよ、ジョッシュ。還る方法なんて、また探せばいいんだし。あなたは、たった一人しかいないもの」

「随分と楽天的だな。だが、俺は君に命を救われた。ならば」


 急にひざまつくジョッシュ。なになに、どうしたの!?


「ジョッシュ・クロード・アーグルは、ユウナ・ホシミが無事に『還れる』まで護ることを誓おう。元皇太子の名誉に賭けてな」


 彼は私の手の甲に、優しくキスをした。ちょっと……いきなり恥ずかしいよぉ(/-\*)


「ん? どうしたユウナ、顔を赤くして?」

「な……なんでもないって!」


 私は慌てて誤魔化した。似た『境遇』の私たち。この世界で一番頼れるのは、間違いなくジョッシュだ。


 私は思った以上に、彼を『意識』してる。


「さてと、こいつらをどうするか……だ」


 私たちの目の前には、瑤にやられた武装兵がいた。まさか、味方にやられるなんて思わないよね。


「うぅ……死にたくねぇ! 助けて母さん……」


 私はちょっと迷ったけど、放置するってのも目覚めが悪い。なので、以前のジョッシュと同じ要領で、武装兵のケガを『リセット』した。


「……っ!? なんだ? 急にケガが消えた・・・ぞっ!?」

「その様子だと、歪みの影響はなさそうだね」


「……我々には、光の巫女の加護があった。その巫女に裏切られるとは、なんとも皮肉だがな」


 隊長らしい人が答えた。私は逆に『パワーアップ』したから、これもある意味皮肉だよね。


「……礼は言わぬぞ、闇の巫女。我らは魔族と事を構える気はない。『真に討つべき敵』は、他にいるしな。者ども、引き上げるぞ。そろそろ『頃合い』だしな」


 ん? よく分からないことを言い残して、撤退する武装兵ら。けど、三日後に意味が解った。



 王国内で『反落クーデター』が起きて、崩壊したなんて……。

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