第17話 戦略的撤退?(ざまぁ回)
「やれやれ……何を言い出すかと思ったら。取るに足らない小物ね」
「ハッ! ニンゲン風情が吠えるじゃねーかッ! 後悔しろやッ」
魔族が
――ドゴォオオオオンッッ!!
火球はジョルジュに直撃した。勢いでふっ飛び、自分らが乗ってきた馬車を粉砕した。
「……っ!? ちょっとジョルジュ、ちゃんと避けなさいなっ!」
いやいや、アンタが
「ハズしたか、まーイイ。オレ様は、お前らに用があるンだからヨ」
え? なんでこっちを見てるの?? 私もジョッシュも、あんなのなんて知らないって。
「ど……どういう意味なの?」
「分からねーか? お前らは、
「下らんな」
ジョッシュが一蹴した。
「俺たちに下衆の知り合いなどいないし、与太話に付き合うつもりもない」
「ジョッシュの言う通りだよ! って、どこ行くのよ瑤っ」
どさくさに紛れて、瑤は
「興が削がれたから帰るわ。アレは貴女たちに用があるみたいだし、これは『戦略的撤退』よ」
ハァ? 好き勝手やっておいて、よく言えるね(`Δ´) ドシンッ! 魔族が地上に降りて、瑤の追跡を断念するしかなかった。
「チッ! どうせなら、
「ケッ、どいつもコイツも舐めヤガって。魔族の恐ろしさを見せてヤル。こんな小さな町ナド、一蹴で消しトバせるぞッ」
なっ……!? 唐突過ぎない? なんか本当にやりかねないし! お願い、やめて……!
私がまた強く『願う』と……
「グハハハハッ、お前らまとめて死ねぇ!!」
魔族はその場で、派手に万歳する。
シーン……何も起こらない。瞬時にジョッシュが、魔族の首を
「……………………アレ?」
「どうした? 何かするんじゃなかったのか? って、もう遅いか」
ゴトリと落ちる首。魔族はこの状態でも、まだ生きてた。なんか気味が悪いよぉ(*_*)
「クソぉ…次期魔王のオレ様がァ。まさかその女……オレ達が探してる『闇の……』なのか?」
「ご託はいい。消えろ」
魔族は粒子となり、跡形もなく消滅した。とりあえず、一安心だね(*´-`)
「やめなさいっ、私を誰だと思ってるの!?」
何やら町の入口が騒がしい。向かってみると、瑤が村人に囲まれ投石や生卵、さらに家畜のフンまで投げられてた。
逃げようとしたところ、町の人たちに捕まったみたい。障壁を張ろうにも、牛や鶏にまとわりつかれてる。
「何が光の巫女だっ、二度と来るな!」
「下手に出てりゃ、ツケ上がりやがって! 庶民を舐めるなっ」
「誰か塩持ってこい! 悪霊退散だっ」
踏んだり蹴ったりだねぇ。まぁ日頃の行いが悪いから仕方ないか┐( ̄ヘ ̄)┌
「なんという屈辱かしら……! 星見 結愛っ、この借りは『いずれ』返すわ、必ず……!」
あれ? 何気に初めて『名前』を呼ばれた……? ジョルジュが「ハルカよ、待ってくれぃ」とパンツ一丁(°Д°)で、服を抱えながら後に続いたε≡≡( ´Д`)
二人は町の外でも落とし穴に
とにかく私もスッキリしたよ。出来れば、二度と会いたくないけどね。ん? 気づいたら私は、町の人たちに囲まれていた。
「巫女様っ、偽物は逃げ帰りました!」
「え……? ですから、私は巫女じゃ……」
「流石は巫女様っ、魔族も退治されるとは!」
「二度も、この町を救っていただけるとは!」
「いくら感謝しても、足りないくらいです!」
私を中心に『万歳三唱』が起こる。なんか誤解してるけど、みんなに笑顔が戻ったからいっか(´▽`)
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