第16話 『魔族』
「いきなり何言ってるの!? 浄化すらしなかったクセに!」
「貴女が余計なマネをしたからでしょ? 私の到着を待っていればよかったものの」
今さらだけど、歪んでるのはアンタらの性根だねっ!
「ユウナっ、話の通じないヤツに取り合うな!」
「
ジョルジュがパチン! と指を鳴らした。護衛兵がジョッシュを取り押さえようとするも、瞬く間に斬り伏せられた!
「なに……!?」
「外から見て分かった。今の王国が、いかに
バッチバチの兄弟。私は
「有り難く思いなさい。才媛たる私が、“余興”に付き合ってあげるのだから」
「人を見下すことしか出来ないんだね。なんだか可哀想に……」
「黙りなさい」
ゾッとする一言を発する瑤。召還された時のジョルジュの比じゃない。どう生きてきたら、そんなに『冷たい
「この私に『同情』なんて、
そうですか。その強靭な
「それに、私が浄化だけだと思って!?」
いきなり瑤が、光の矢を無数に飛ばしてきた! わわわ……危ないっ!
――キュポーン!!
矢は私の直前で、キレイに消滅した。瑤が唇を噛む。
「小細工を……! 正々堂々と勝負なさいっ」
……それ、アンタが言う?
向こうでは激しい
「屈辱だわ……初めてよ。この私をここまでコケにしたおバカさんは。ちょっと
不敵な笑みを浮かべる瑤。何やら『隠し球』があるみたいで、瑤の様子から自信があるみたい。
「あれれ、オカシぃぞぉ?
突如、頭上から野太い声が響いた。何なに……!? 見上げると、一目で人間じゃないって分かる存在が、翼を羽ばたかせていた。魔物でもなさそうだし、アレは一体……!?
「魔族……か。何故、こんな所にいる?」
魔族……!? ジョッシュに私は驚いた。タダでさえ、ややこしい状況なのに勘弁して><
「ククク……ナンでもナニも、お前らが呼び寄せたんダゼ? このオレをよォ! お前ら、各地で歪みを浄化してるニンゲンどもだろ? 困るンだよ。
「いきなり現れて、私の上から物を言うなんて。何者なの? 聞いた後、始末してあげるわ」
腕組みをする瑤。どっちも大して変わらないけどなぁ……。魔族は豪快に笑った。
「グハハハハッ! 今時、こーいうニンゲンが居るんダナ? 聞いて驚けッ、オレ様こそ『次期魔王』となるグレゴリー様ダッ! さぁニンゲンども、恐れ
は……? 魔王とか大丈夫……(´・ω・`)?
◆ ◆ ◆
NEXT……ざまぁ回。
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