第11話 『素性』

 明けましておめでとうございます(^-^ゞ

 今年もよろしくお願いしますm(_ _)m


 ◆ ◆ ◆



「見つけたぜェ? まさかテメェの方から出てくるとはなァ」


 男たちは、あっという間に男のコを囲んだ。当たり前だけど、ジョルジュとは『別人』だね。

 しかし、本当に似てるなぁ。短髪と額の傷がなかったら、見分けるのは困難だよ(^_^;)


「お前ら、あの男・・・に雇われたんだろ? 俺を『始末』しろって」

「グヘヘ……分かってるじゃねーか。テメェを殺れば、しこたま『懸賞金』が貰えるからヨ? てなワケで、お命頂戴ッ!」


 懸賞金って……命を狙われるほど、悪い人には見えないけどなぁ(゜゜;) それに『あの男』って、やっぱりジョルジュのことかな?

 まぁ私としては、なんだかんだで助かったけどね。もしかして、これは『運命の出会い』……!? 流石にそれはないか(^。^;)


……なんて考えてるうち、いつの間にか男たちが山積みになってた。え、もう倒しちゃったの? 彼、見掛けは細いけど強いじゃん(゜o゜)


「フン、この程度でよく挑んできたな。所詮は雇われ身か。ん?」


 ここで初めて、彼と目が合った。ちょっと、女のコをそんなにジロジロ見ないでよ><


「……連中の仲間、というわけではなさそうだな。なぜ年端もない女子が、こんな所に居る?」


……いや、私とそんなに歳変わらないじゃん。


「……そういうあなたこそ誰なの? ジョルジュ皇子……じゃないよね?」


 私は冗談半分で言ったつもりだった。彼の顔つきが見るみるうちに険しくなり、私に詰め寄ってきた。なになに……!? 急にどうしたの><


「お前……今なんて言った!? 『あの男・・・』を知っているのかっ」

「……っ!? いきなり何? それに私はお前じゃなくて、って危ないっ」


 私は咄嗟とっさに叫んだ。背後から男の一人が吹き矢で、彼を狙っていたからだ。彼も直前で矢をかわし、短刀を投げ男の右肩に命中クリーンヒットした。


「バカな……0.01ミリグラムで、クジラとか動けなくする薬だぞ……」


 その場に倒れ伏す男。完全には躱せなかったようで、彼の腕には掠り傷があった。


「ちょっと大丈夫……? さっきの吹き矢、毒とかあったみたいだけど……」

「問題ない。毒の対処法くらい心得てる」


 彼は器用に片手で上腕部の付け根を布で縛り、傷口から血を絞り出した。


「ダメだよ、ちゃんと手当てしないと。ちょっと見せてみて」

「あっ……おい」


 私が彼の腕に触れた瞬間……


――キュポーン!


 また・・だ。私の頭の中に特殊な効果音が響き、彼の腕の傷は消失・・した。最初から・・・・何もなかったかのように。


「……っ!? お前、何をした!?」

「さっきからお前って、私には星見 結愛っていう名前があるんだよ。そもそもあなたこそ誰?」


 彼は私の顔をしばし見つめた。なんなの一体……?


「……ジョルジュを知ってるみたいだな? それに今の能力……完全に『部外者』というわけじゃなさそうだ」


 そして、彼は意外な『素性』を明かした。



「俺の名はジョッシュ・クロード・アーグル。アーグル王国の『第一』皇位継承者だ。愚兄ジョルジュの謀略にめられ、王国を『放逐』された身だ」


 え……? 苗字が『同じ』ってことは、ジョルジュの『兄弟』なの?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る