第10話 『出逢い』

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 ◆ ◆ ◆


「お爺さん、それにお婆さん。短い間でしたけど、本っっ当にお世話になりました」


 私は『命の恩人』である老夫婦に、深々と頭を下げた。あれから一週間が経ち、私はすっかり元気になった。


「もういいのかい? もっとゆっくりしていけばいいのに」


 お婆さんのお気遣いは嬉しいけど、いつまでも甘えるわけにはいかない。


「お前さんさえよければ、ずっと居てもええんじゃがのぅ。農作業の手伝いとか、色々と助かったわい」


「いえいえ。こちらこそ、毎日美味しいお料理をありがとうございました」


 なんせ異世界こっちに来て、初めてまともな料理にありつけたからね。お母さんの手料理を思い出したよ^^


「して、ユウナよ。お前さんは、これからどうするつもりじゃ?」

「山を降りて、近くの町に向かおうと思います。そこで、一人で生活していけるようにします」


 幸い私はお爺さんから、近くの町までの地図をいただいた。


「そうか。比較的安全なルートじゃが、十分に気をつけるのじゃぞ。町にワシらの娘夫婦がおるから、元気にやっとると伝えてくれんかのぅ」


「困ったことがあったら、またいつでも訪ねておいて。体には十分、気をつけるんだよ」


 娘さん夫婦ね。それくらいなら、お安い御用だよ。それに私がまたここを訪れるのは、恩返しの時だね。本当にお世話になりましたm(_ _)m



 ◇ ◇ ◇


 お爺さんたちのお陰で、私はサクサクと下山できた。この調子なら、今日中に町まで着くね。


「ん……?」


 私はふと足を止めた。正面から『イヤな気配』がする。私の鑑定スキルは日に日に『進化』していき、こういう『危険察知』も可能になった。


 私は身の危険を感じて、素早く木陰に隠れた。



「ヒャッハー☆ ヒャハハハハッ!?」


 程なくして、いかにも『ならず者』って感じの連中が馬で来た。隠れといて、正解だったね。


 私の鑑定スキルは、近距離なら相手の『行動パターン』も判る。私はこれを『なに考えてるの?』と名付けた。

 王国じゃ散々な評価だったけど、意外と使えるじゃん。早速、使ってみると……


『あれれ、オカシぃぞぉ? あの野郎・・・・、この辺に居るって聞いたンだが?』

『クマなく探せ! なんせ懸賞金・・・が掛かってンだからヨッ!』


 どうやら、“誰か”を探してるみたい。まさか私じゃないよね……? 関わるとロクでもなさそうなので、私は抜き足差し足でその場を離れようとしたけど……


「……っ!? 誰だッ! 兄貴ィ、人がいますぜ!」

「ンんー? 探してるヤツと違ェだろーがッ!」


 あちゃー( ´゜д゜`)、こんなに早く見つかるなんて><


「あン? ンで女が一人で、こんな所にいやがんだ?」

「この女、妙なカッコしてますねェ。グヘヘ……兄貴ィ。楽しんだ後・・・・・、売っ払えば高値がついたりして?」


 やっぱりロクでもないよぉ>< 仕方ない……『こんな時』に備えて、鑑定スキルで作った『護身用アイテム』の出番だよ!


 私が構えたまさにその時……



「やめろ。お前らが探してるのは、この俺だろ?」

「…………っ!?」


 私は振り返り、危うく声を上げそうになった。それもそのハズ……そこには王国で私を追い出した張本人の皇子、ジョルジュと瓜二つ・・・の男のコが立ってたからだ。

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