第8話 『追放』
「え…………?」
私は一瞬、何を言われたのか
「あらあら……まさかたった
ハァ? それ『何も出来なかった』人が、言うことじゃないよね?
「己の罪と、向き合うことも出来ぬ
この……! 前から言いたい放題言って!
「ユウナよ。本来であれば
「父上の温情に感謝せよ。自らの
「私と皇子を始末すれば、“成り代われる”とでも思っていたのかしら? 貴女には、“
私は『理解』した。
……結局、私は
◇ ◇ ◇
「お腹空いたぁ……それにすっごく寒い……」
私はどことも分からない山の中で、
会議の直後、着の身着のままで馬車に押し込められた。着替えは元より、食べ物だってロクにない。そもそも王国を追い出されて、どれくらいの時間が経ったのかもよく分からない。
それほど私は生きるのに必死で、王国に居た頃とは別の意味で毎日が過酷だった。
どうやって生き延びたかと言うと、私が唯一使える能力の『鑑定』をフル活用した。
鑑定は手をかざし(直接、触れなくてOK)意識を集中するだけで、物の『特性』がスグに分かる能力だ。
私は食べられる野草や茸などをつまみながら、なんとか生き永らえた。このままじゃ死んでも死に切れないよ。
絶対に元の世界に還ってやる! それも
……とはいえ、現実は厳しかった。
いよいよ食べられそうな物は、採取しづらくなってきた。なんだか山全体も寂しいし、これも『歪み』の影響なの……?
……もしかしてこの世界って、私が思ってる以上に『深刻』かもね。そりゃ『異なる世界』の人に助けを求めるくらいだもの。
その割には、私の扱いは『最低』だったけどね。要するに『危機感』がないんだな……って、改めて思った。
――キュルルルル。
いけない……お腹が空くからなるべく思い出さないようにしてるんだけど、一歩歩く度にお腹が鳴る(/-\*)
おまけにお風呂にも入ってない(川で水浴びくらいはしてるよ)から、髪の毛がベタベタで最悪だよぉ(ーдー)
「ん……?」
私は何日かぶりに声を出した。遠くから、煙が昇っているのが見えた。もしかしたら、誰かいるかもしれない。
私は疲労
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます