第7話 『濡れ衣』

――森での一件から一夜明け。


 私は今、指令部という部屋で『緊急会議』に参加させられてた。ジョルジュに羽交い締めされた箇所がまだ痛むので、本当は屋根裏で静養したかったけど(ノД`)……


 会議にははるかにジョルジュ、それになんと国王まで参加していた。いくらなんでも大げさなんじゃないの……(-_-;)


「ユウナ・ホシミよ」

「……っ! は……はいっ」


 いきなり国王に呼ばれ、私はドキッとした。鋭い視線が突き刺さり、これじゃ罪人みたいだよぉ(ノД`)……


「事の顛末てんまつ皇子ジョルジュから聞いた。色々と『やった』みたいだな?」

「はい…………?」


 私はきょとんとなった。『やった』って何を?


とぼけるでないっ! 光の巫女の浄化を『妨害』したどころか、あまつさえ皇子共々『亡きもの』にしようとはっ!」


 わっ!? 急に大声出さないでよっ、びっくりするじゃん>< ていうか、いきなり何なの……!?


「ちょ……ちょっと待ってください! なんの話をしてるんですかっ!? ていうか、殺されそうになったのは私ですっ!」


 私は『ありのまま』起こったことを話した。だけど……


「父上、ユウナの言い分は、全くの狂言綺語デタラメです。光の巫女ハルカと同時に召還されたのに、なんの能力もなかった腹いせに今回の『事件』を起こしたのでしょう」


「そんなの、ただの言い掛かりでしょ!? 私がいなかったら、二人が危なかったんだからっ!」


「証拠はあるの?」


 間髪をれず、はるかが反論してくる。ジョルジュに付けられたアトがあるけど、ここで脱げとか本気で言いそうで困る><


「貴女は以前、私との『扱いの差』に不満を漏らしてたわね? なんで私は一日中、馬車馬のように働いてるのに瑤は、優雅な生活を送ってるんだろうって」


 ハァ? 今更それ蒸し返す!?


「成程……日頃の鬱積うっせきした怒りが爆発したか。背後からハルカを突き飛ばして、私が慌てて救助した」


 いやいやいやっ、アンタらが私を抱えて放り込んだんでしょ!?


「私がすぐ歪みを浄化したから良かったものの、あわや大惨事になるところだったわ。ユウナはそんな私たちを眺めながら、ざまぁとうそぶいてたわ」


 よく『即席』で、そんな話をでっち上げられるね。アンタらこそどんな人生を送ったら、そんなに人格が歪むんだか( ̄ヘ ̄)


「話はよく分かった。ユウナは一方的に『逆恨み』をして、衝動的に『犯行』に及んだという事でいいのだな?」


 ちょ……!? 仮にも国王って立場の人が、そんな一方的に決めて許されるの!? 私があたふたしてると、国王は『結論』を出した。



「ユウナ・ホシミを皇族殺害未遂の『テロリスト』として、国外永久追放とするっっ!!」



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