第3話 『光の巫女』

「ほぅ? ハルカは今すぐ、“適性検査”を受けたいと申すか?」

「何か問題でも? 私にはムダな時間なんて、一秒たりともないの。凡人と違ってね」


 うぅ……なんか遠回しに、私への当てつけに聞こえるよぉ><


「フム? そこまで言うのならいいだろう。ベルナーよ、アレを持ってまいれ」


 大臣は「仰せのままに」と頷き、一旦退室。程なくして、水晶玉を持って戻ってきた。


「お待たせしました。これは潜在力を量る魔道具でして、触れることで適性が分かります」

「思った通り、簡単そうね。さっさと始めましょう」


 はるかさんが、我先にと水晶玉に触れた。ていうか、私の存在をほぼ無視してない(-ω-?)


――カッ!


 瑤さんが触れた瞬間、目を覆うくらい眩しい光が部屋を照り返した! わわわっ、一体なに……!?


「むぅ……!? 大臣、これはどういうことかっ」

「殿下っ、こんな『現象』は初めてですぞ……!」


 やっと光は収まった。私たちは唖然となるも、当の瑤さんは澄まし顔だった。


「終わったの? で、私はあなた達のお眼鏡に叶ったかしら?」


 瑤さんは髪をかき上げながら、優雅に振る舞った。お嬢様校だけのことなあるね。


「……大臣よ、結果は如何いかに?」

「殿下、これは非の打ち所がありませぬ。彼女こそ、我々が求めていた『光の巫女』ですぞ!」


 光の巫女……? なんか名前からして凄そうだね(゜A゜;)


「まさか光の巫女の召還に成功するとは! 天は我らに味方した!」


 ジョルジュ皇子も太鼓判を押した。


「あの~盛り上がってるところ悪いんですが、次は私の番ですよね?」


 私がそろりと挙手すると、一同が注目した。


「おぉそうだった。待たせたな、ユウナよ」


……今、完全に忘れてたでしょ。まぁいいや。


 気を取り直して、私は水晶玉に触れた。ところが……


――シーン。


 瑤さんの時とは打って変わって、なーんも起こらない。これには、全員がきょとんとなった。


「……何も起こりませんね?」

「フム? 大臣よ、なぜ水晶玉は反応せぬのだ?」


「これは……大変申し上げにくいのですが、ユウナ様は浄化の適性が『全く』ないという事になります……」


 申し上げにくいとか言いながら、ハッキリ言ってるじゃん。その場合、私はどうなるの?


「なんと……本当にユウナには、なんの能力も備わってないのか?」

「……唯一、ユウナ様が使えるスキルが『鑑定』です。しかし、基本的なことを学べば誰でも使えます」


 沈黙する一同。つまり、私はお払い箱ってこと? これからどうなるんだろう……なんかイヤな予感しかしないよぅ……( ´△`)

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