第10話 殲滅聖女マリアンヌ

俺が両親達に会えない理由…それは…


「ここを通りたければ。 私を倒すのだな…冒険者共!!」


身体はどこからどう見ても女性で声も勿論最新技術を用いて、完全に女性の声を発している

次々と冒険者なぎ倒す事数百人、名だたる冒険者達が俺を撃退しようとダンジョンゲートの前にやってくるが成すすべもなく冒険者達は後方へ吹き飛ばされてゆく。


勿論俺自身も死なない程度で手加減しているのでご安心。


「つ、強すぎる…これがノア・ティアーヘスの妹…マリアンヌ・ティアーヘスの力か」

「全くだ…スタンピードが可愛く思えてくるくらいにはイカレてやがる…」


更にはノアさん直々に設定を頂き、今の俺はノア・ティアーヘスの妹。

マリアンヌ・ティアーヘスとしてこの世界に名を馳せている。


「ひるむな! まだチャンスはある! なんとしても浄化を阻止するんだ!」


冒険者達の先頭に立ち、ボロボロの状態でもまだ立ち上がる男の姿があった。

黒髪で少し釣り目の中肉中背の男…見た目だけで言えば年齢は30代といったところであろうか。

騎士鎧を身にまとった男は一番最初に居たにも関わらず、まだ立ち上がり諦めた様子はない。


「…はぁ。 そろそろ諦めてくれねぇかな…親父…」


誰にも聞こえない位小さい声で呟く。

彼の名は【先導 祐樹せんどう ゆうき】俺の父親でアレスギルドと呼ばれる冒険者ギルドの副ギルドマスターとして世界に名を馳せている存在だ。

アレスギルド。 世界有数―――五大ギルドのひとつであり…教団とも対等に渡り合えるとされた世界最強のギルドの一つである。


ギルドが巨大な事もあり、組織が有するダンジョンの数は途轍もない数である。

ただその途轍もない数のダンジョンを所持しているせいで、今回のように教団側の申請が通る前にの兆しが突然現れる事がある。

これが管轄外で誰も所持していないダンジョンならば…勝手に浄化できたのだが…今回のようにどうしても間に合わない場合は【強行手段】に出る事が多い。


「問おう。 なぜ抗うのか…先ほども説明したはずだ。 ダンジョンブレイクの兆しがあると―――解らぬのか?」

「…だが、実際。 そのダンジョンブレイクとやらを我々ギルドの人間は実際に見たことがない。 それは君たち教団が、早くダンジョンを浄化したい口実に過ぎないんじゃないのか!?」


…確かに。 ダンジョンブレイクという現象が起こる事は皆知っているが、それが本当に起こった事例は未だ無い。


「ふむ。 そう捉えられてもおかしくはないだろう…しかしだ。 私一人止められぬ冒険者達が…果たしてダンジョンブレイクの影響を抑える事が出来るのか?」

「…うっ…」

「ダンジョンのモンスターがここに溢れ、貴様ら冒険者は止められるのか? スタンピードとは比べ物にならぬぞ? では聞くが、ダンジョンブレイクが近ければ貴様らはこの場にギルドの人間を総動員して待機する事が可能なのか?」


集まる数百人の人間を見渡す、しかし彼らは何とも言えない表情でこちらを見ていた。


「ダンジョンブレイクは起こってからでは遅い」

「し、しかし! では、我々に事前に情報を伝えてくれれば!」


親父の意見も確かにわかる…例えば発生したばかりのダンジョンがこの日に壊れて! モンスター達が外にあふれ出します! とこちら側もお知らせする事が出来ればいいのだが…これもかなりいい加減なもので。

教団を守る神共からのお告げで報告された時には【明日ダンジョンが崩壊する…場所は何処】等というように、神ですらも予測できないレベルでダンジョンが崩壊に向かう事がある。


明日かもしれないし、明後日かもしれない、1ヶ月・1年…10年後。

それが突然やってくるものだから、どうしようもないのは解る。

ただ、冒険者の言い分も解らないわけではない…突然とモンスター素材の供給が断たれる事になると装備や備品の調達をするため他のダンジョンに潜らなければいけなくなる訳で、安定した素材供給が無くなってしまう。


ただまぁ、都心近くのダンジョンとなると話は別だ。

人が少ない所であれば少しの猶予位持たせてもいいが、さすがにこんな所でダンジョンブレイクが発生すると洒落にならない。


「ふっ…それが出来れば我ら教団もどれ位楽な事か。 文句はクソ神共に言うのだなぁ! 私はしらぁぁぁん!!」

「…ク、クソ神って…き、君は仮にも教団の人間だろう!?」


いや、いったいお前はどっちの肩をもってるんだ。 と親父に言いたくなったが、それはさておき。


「全く…マリアンヌ! 神への文句はその辺にしておきなさい」

「あ…あ! あれは! 漆黒のノア! まさか、漆黒のノアまで!? くそぅ! おしまいだ…これじゃあ絶対抜けられねぇ…」


一人の冒険者が俺の後方を見上げる、するとその冒険者は地面に尻もちをつくと涙目になりながら声がする方向を指さしてた。


「あら、お姉様。 これは失礼♪」

「まぁ、あなたのように神を信仰していない教団の人間も居ますから。 仕方ありませんね♪」


全身真っ黒の修道服に身を包んだ彼女は半分に割れた不気味なピエロの仮面を装着し、背中には3m越えのガトリング砲と大剣が装備されている。

…どこからどう見ても強キャラそのものだろ!!


「さて…お久しぶりというべきでしょうか? 先導祐樹さん…私と妹、どちらも倒さなくはいけなくなりましたね?」


いつも以上に凄みがましているノアさんの表情をみて思わず、強張った表情を見せる父事…先導祐樹。


「こ、これはこれは…お、お久しぶりで…」


これだけは言おう、あの親父の表情から察するに【もはや絶望的状況】であると。


――――――――あとがき―――――――

書いてて思ったんですが、そういえばプレミアムバンダイのMG ガンダムヘビーアームズ改 を作っていない事に気付きました…年末の時間があれば作ろうかな!?

更新時間って何時位がいいんですかね? 明日は18時に!


フォロー、ご評価もよろしくお願いいたします。

作者は気軽にコメント等頂けると喜びます

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る