第6話 シヴァ教団
事件の解決を報告する紙を玄関の靴箱において来た俺は翌日の昼頃。
巨大な門を設置したまるで城のような教会へやってきていた。
見るからにお金がかかっていそうな教会の敷地内には何やら訓練する者がいたり、プレハブの様な建物の中には座学を学ぶ者、食堂で食事を楽しんでいる者等。
どれこれも修道服を身に着けた女性ばかりであった。
それもそのはず、教団という存在は女性社会であり…そもそも聖魔力と呼ばれるものは女性にしか宿らない。
が、ここに例外一人と――――
ガチャ…ギィィ…
バイクに跨ったまま進む俺は更に奥に見える巨大な教会の門を開いた。
するとそこには一人の男が何やら少女と話をしている所が見えた所でアクセルを吹かす。
「…ん? あぁ! 遊魔くんか! これはこれは…というか、バイクで教会内に乗り上げ禁止だと再三言った気がするんだがね!?」
「よ~す。 いいじゃないか、どうせこのまま帰るんだから…」
「む~…まぁいいだろう。 で、今回も私に話があるんだろう?」
呆れ顔で俺をみる男は、少女を奥へ下がらせると話を始めた。
というか、この教会はどれだけ国からお金が出ている事やら…考えただけでも数百。
いや、数百億と掛かっているのかもしれない。
「あぁ、その通り! よっと、今朝向かった場所の地図なんだが…」
バイクを降り、スマホを懐から取り出すと元々準備していた地図アプリの画面をその男へ見せる
「こ、これは…ずいぶんと今日は遠い所へ…行ったんだね、で?」
「ここもだ」
「まさか!? ダンジョン再発の傾向が!?」
「あぁ、もう寸前ってところだったけどな。 地図の情報を送っておくからあとの事は任せだぞ。 シヴァ教団創設者の
こんなことをいうのは失礼かもしれないが、年齢38歳にしては顔が老け過ぎというのか。
アダルトゲームとかそういう所で出てきそうな見るからにやばそう事をしてがしそうな顔からは想像できない程普通にいい男…それが
世界に創設された12教団で唯一の最初で最後の男性教祖であり、このシヴァ教団をまとめる存在である。
おまけにここ最近、おなじ教団の10歳年下の超絶美人の女性と結婚したばかりで、ほかの教団からは何か弱みを握っているんじゃないかと攻め立てられたとかなんとか最近愚痴を零していたっけな。
「で? さっきここの子から聞いたが、うちの母親と父親が何か嗅ぎ付けてるって?」
「あ、あぁ! そうだった…! 偶然かもしれないけど、ここ最近。 君のご両親達が教会に立ち寄る事が多くてね、すまないんだが今後は来る前に一度連絡してもらえると嬉しい」
「解った。 そうするよ」
「それにしても…あれから4年か。 君を鑑定した時はただの雇われ神父だったのに…気付けば私もこの教団の教祖だよ…」
まさか俺が神々に選ばれた日にちょうど使えそうな奴がいたと理由だけで、男性であるにも関わらず選ばれてしまった、おっちゃんには同情してしまう。
「ま、まぁほら! 美人な嫁さんとも結ばれて、最高だろ!?」
「そ、それはそうですが…私以外全員女性なんですよ!? 当たりが強い強い!それもどれもこれも私より年下の女性なのですから! ストレスで剥げそうですよ!」
「いや、もう大概―――」
「はい???」
「いえ、なんでも~」
俺は誤魔化すようにバイクを止めた場所まで歩いてゆく、ゆっくり後ろに向かって手を振るとバイクに跨る。
「そういえば、あの話はどうなりましたか?」
「あぁ~…シヴァ教団に所属するってやつ?」
「えぇ」
「俺も歓迎だったんだけどな~! お金貰えるし…ただ、こっちの方々がダメだってさ」
何もない天井を指さしそう答え、ため息をついた俺はぐったりとバイクによりかかり残念そうに嘆き悲しむ。
「そうですか。 ―――元はといえば貴方達のせいで彼はひもじい思いをしているんですよ! シヴァ様もそうです! いいですか! でしたら、ちゃんとその責任を取ってください! 神でしょう! あなた方は!」
『『『『……』』』』
「「こいつら!!」」
「はぁ…でしたら何か考えてください。 あまりに彼が可哀想で仕方ない」
『『『『御意…』』』』
「はぁ…今頃おれは冒険者でそれなりの生活をしてたはずなのによぉ! クソ神ぃぃぃ!!」
愚痴を零しつつ目の前に現れたゲートを通りバイクで自宅前へと向かうのであった。
そういえば、ヘルメットはいらないのかと問われる事が多いが…そもそも認識疎外の効果を神達が発動しているのでバイクを走らせている俺の姿が人間たちに見えることはない。
――――――――あとがき―――――――
いったい浄化師とは何なのか…途中で”特級”とか決めたあたりで気付いたんですけど、これ完全に呪〇のやつっぽい…とかってに思ってました(笑)
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十字架武器っていいよね!? 最高だよね!!
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