5-3 決戦


十日過ぎて、向こう岸に味方の集団が到着した。いかだを出して里に収容する。百人ほどでその中に巫女の姿はなかった。聞けば里の加勢のため仲間と別れてきたのだと言う。元“狩る者達”の一隊だった。

「神使ミクル様には面倒をかけたからな。里に立てこもると聞いて加勢に来た」リーダーの男が言う。

「敵はどうなの?」聞いてみた。

「もう半日もすればここへ来るかな。だが、半分は削った。残った奴らも腹ぺこでヘロヘロさ。それにしてもしつこい奴らだ。ミクルの里によほどご執心と見える」

ここまで十日か。相当足を遅らせたね。

「残りは三、四百ってとこね。あなた達が来てくれたから数ではそこそこ対抗出来るかな」

あたしおれはアムネさんを呼んで味方ができるだけ遠くの高い所に行くよう連絡させた。

「何でだ?後ろから攻めさせれば良いじゃねえか」リーダーの男が不思議そうに聞く。

「計略があるのよ」

「神使様のお言葉だ。間違いあるめえ」

翌日向こう岸に“覇者”の軍勢が姿を現した。くっそー、せっかくのうねが・・・

ま、仕方ない。これが戦争だ。

あたしおれ達は柵の内側に並んで待ち構える。


敵の中から巫女装束の女性が川岸まで進み出て大声で叫んだ。

「我は“覇者”なり。すみやかに武器を捨て我に降れ!」

おお、良く通る良い声だ。あれが“覇者”か。年齢はアラフォーってとこね。

「寝言は寝て言え!」叫び返すと柵のこちら側から哄笑が湧き起こった。


それを合図に対岸から一斉に矢を放ってきた。皆は柵の後ろに隠れる。

あたしおれとカガンは手で矢を払いながら柵の上に立って向こうを覗う。いわゆる破裂する矢を放ってくるか見張るためだ。ハタとアムネさんが心配そうに見ているけど軽くウィンクを返す。

「あれか?」カガンが指さす。

薄い煙の出る矢をつがえている一隊がいる。

「そうね」あたしおれは答えざま、川の水を滝のように巻き上げてその一隊にあびせかけた。

一隊は水の勢いに押し流され、矢の煙も消えた。これで火薬は使えないわよ。

“覇者”もあおりを食らってずぶ濡れだ。手をぶんぶん振って何か喚いている。

あー、怒ってる怒ってる。

こちらからも柵の陰から一斉に矢を射る。何人かが当たって倒れたのが見える。

向こうも射返してきたが、こちらは柵の陰なので当たらない。

しばらく矢の打ち合いになった。

とうとう敵は川岸から矢の射程外へ退いた。こちらに被害はない。

あたしおれは食事の支度をするよう、皆に指示を出した。やがて香ばしい焼き物の匂いが流れる。

「川向こうの連中はこの匂いを嗅いだらたまらんだろうな」カガンがニヤニヤする。

それから二交代で食事にした。半分は川岸の警戒に当たる。

暗くなると松明を柵の上に並べて川面を照らす。闇に紛れて敵が川を越えてこないかの警戒だ。


翌日は川を挟んでのにらみ合いになった。

岸の向こうから斧で木を切る音が響く。

いかだを作ってるようだな」あたしおれの側でハタがつぶやく。

「そうね。でもこちらにも備えがあるのよね」


一夜明けて日が昇る頃、対岸からぞろぞろいかだに乗った兵達が川を渡ってくる。三十もあるだろうか。全兵力を振り向けてきたようだ。

「矢で射ないのか?」元“狩る者達”のリーダーが聞いてきた。

「まあ、見てなさいって」あたしおれはにやりとして答える。

川の中程まで行かないうち、急にいかだの木材が崩れだした。あちこちのいかだがバラバラばらけ、川面に丸太が散って行く。いかだの兵達が次々に川に転落して、そのまま海へと流されていく。

「どうなってる?」元“狩る者達”のリーダーが驚く。

「水棲人だよ。川底から木材を結んでいる縄を切ったんだ」ハタが説明する。

「ハタは水棲人達と良いお友達だもんね」それにこれはハタの案。凄いね、ハタ。うふん。

「何があっても驚かねえって思ってたんだがな」カガンが天を仰いで嘆息する。

「それより、今じゃない?」敵兵達はほとんど泳いだり丸太に掴まって海の方へ押し出されている。向こうの川岸には数人しか人が居ない。“覇者”もそこに居る。臨機応変。

「そうだな。“覇者”とかいうお方の面でも拝んでくるか」カガンが腕まくりした。

「俺達も行く」元“狩る者達”のリーダーも意気込む。さすが筋肉ゴリラ男。

あたしおれ達は四艘のいかだに分乗して向こう岸に向かった。あれ?巫女アムネは毎度のことだけど、巫女シンロイと巫女シラまでついてきてる。どういうこと?

それを見て向こう岸の“覇者”達は森に逃げ込もうとした。

「矢だ!矢で足止めしろ!」

一斉に高い角度で矢を打ち上げ、彼らと森の間に矢ぶすまを作る。

逃げ損なった彼らをあたしおれ達はぐるりと取り囲んだ。

“覇者”はゆっくりあたしおれに向かって手を伸ばす。ん?なんかやばい?

「いけない!」巫女シンロイがあたしおれの前に飛び出し、封印の珠をかざした。

一瞬、珠が砕け散る。

「珠無しで封印を掛けるなんて。あなたニーヴァの神使?」シンロイの顔がこわばっている。

「ちっ、解呪で相殺したか。やれ、ニイラ、タンタ」“覇者”が傍らの鬼人に手を振る。

鬼人の一人がいきなりあたしおれに剣をたたきつける。抜き合わせて防ぐのがやっとだった。早い。

カガンと稽古してなかったらやられてたかも。一瞬、両方共、剣の間合いから飛びすさって対峙。

カガンは皆に襲いかかろうとした鬼人に足払いをしかけ、それを避けた鬼人が空で回転し踵落としで応じた。素早く避けるカガン。二人もさっと間を取って対峙。

「へへへ、やっと出会えたな。たっぷりお礼させて貰うぜ」言いながらもカガン、一分の隙もない。

巫女シンロイは別の珠をかかげ、油断なく“覇者”と向き合っている。

その間に“覇者”に付き添ってきた他の者は捕らえられた。

ゆらり、と“覇者”から何かが立ちのぼる。と、彼女の足下が崩れ土砂が舞い上がった。

「させないわよ」巫女シラが地面に両手をついて片膝立ちになってる。

おお、今のがトカラの巫女の力か。“覇者”は胸まで土に埋もれていた。

あたしおれは目の端でこうしたことを見て取った。

正面の鬼人に意識を集中する。

森で三人の巫女だと思っていたうち二人は鬼人だった。目の前の鬼人は裳の色が違うから神官服だな。

こんな髭面、巫女な訳ないよね。つのには鎖状の物が架けられていて、中央が蒼い玉で止められている。

あれ?なんか記憶にひっかかるな・・・・

思い出した。奴隷の時のあたしの角にもこんなのが架けられていた。

もしかしたら・・・

あたしは少し下がって剣を鞘に収め、腰を落として居合いの形を取った。

鬼人にちらっといぶかしげな表情が浮かぶ。

あたしおれは抜き打ちざま逆袈裟に切り上げ、跳躍する。鬼人は辛うじて切っ先をかわしたがやや体勢を崩した。

返す剣先を振り下ろしつのに架けられた鎖を断ち切って着地する。鎖と蒼い玉は一緒になって吹き飛んだ。

鬼人は驚愕の表情で目と口を大きく開いて――地面にくずおれた。

カガンともう一人の鬼人――こちらは巫女服――はまだやっていた。二人とも剣を抜いている。

「カガン、つのに架けてある鎖を切って!」

「無理言うなよ。手加減できる相手じゃねえぞ」

「だらしないなぁ。あたしと替わりなさいよ」

「んだと?」

あたしおれはカガンを押しのけ、居合いの形を取る。カガンは何だそりゃみたいな顔をした。

鬼人は油断なくあたしおれに向かって正眼に構える。こいつも強い。

居合いの形を取るのは間合いを読まれにくくするためだ。逆袈裟に切り上げる。これは相手の体勢を崩し反撃を封じるため。返す剣先が本命だ。跳躍するのは正確に鎖だけを切るため。

一瞬。

うまくいった。この鬼人も地面にくずおれる。

「おいおい、そんな手隠してたのかよ」カガンが唸る。

「ねえ、シンロイ、この二人、封印は解けてるかしら?」

「はい。さすがミクル様です」二人を調べてにっこりするシンロイ。

「“覇者”はどうしたの?」

「ニーヴァの神使に封印はかけられませんので、解呪の珠を付けておきました。これで封印の力は相殺できます」

“覇者”は今、掘り起こされる所だった。首にいくつも解呪の珠をつけられている。

すっかり観念したのか目をつむっている。でも、口元は笑っているような?

あたしおれは“覇者”の前に座って日本語で語りかけた。

「秦野先生でしょ?」

“覇者”は目を丸くしてあたしをみつめた。

「ぶーっ!」おいおい、そこ噴き出すとこ?

「あーっはっはっは、ほんとに望月クン?あなたが?女じゃない!しかも鬼人?」日本語だ。

「おっさんじゃなくて悪うございましたね」

「あはははは、すっかり男と繋がってるって思い込んでた。私、なんて馬鹿。これでも色々探りを入れてたのよ。解らないわけだ。ははははっ」

「何でそんなに探そうとしたんですか?向こうの世界でも探りを入れてましたよね」

「そりゃ、こちらの世界で協力して欲しかったからよ。なんと言ってもここは遅れすぎてる。もっと文明化するべきだって思わない?ミクルの里の話は色々聞いてたわ。良い成果を上げてるみたいね。でも、全然足りなくない?私が制度面を受け持ってもっと進んだ世界にするの」

「それで“覇者”?」

「そうね。他にも方法はあったかもしれない。でも私がこっちに繋がれたとき、本当に悲惨な状態だった。目の前で次々に餓死者が出ているのに皆争うのを止めない。強権が必要だと思ったの。最初はニーヴァの服従の呪を使った。でも全ての人を呪で縛るわけにはいかないでしょ。だから“覇者”としてひとつひとつ部族をまとめていった。獲物不足は深刻だったから家畜を飼うよう、神殿の巫女を通して広めた」

「火薬を作ったのは?」

「そうねえ、恐怖かしら?誰かを従える手段のひとつよ。たいして殺傷力は無いわ。でも望月クンさすがね。あれが火薬だって解ったのね。だからさっき水を使った」

「トカラ神殿を攻めたのは?」巫女シラが妙に冷たい声で聞く。おや、日本語?

「鉄を作る技術を持っているのはそこだけだから、手に入れる必要があったのよ。もっと増産して行き渡らせるの。世界が変わるわ」

「俺はそこまで望んでないですね。シムリ地方に限って言えば争いも少なく穏やかで良い所だ。あまり変えたいとは思わないですよ。せっかく家畜を飼い始めたんだから山向こうもそうなると良いな」

「私は変えて見せるわ。今回は失敗だった。次はこうは行かないわよ」

突然、“覇者”の首の珠が一つはじけ飛んだ。

「いけない、解呪の珠が壊される!」シンロイが叫ぶ。

「考えを変える気は無いか?“覇者”よ」巫女シラの口調が違う?そうか、神トカラが降りているのか!

また珠がひとつはじけ飛んだ。

「ここまで来たのよ。止めるわけにはいかないわ」“覇者”が立ち上がる。

「そうか。ニーヴァよ。この者はこの世界では危険だ。止める気は無いか?」巫女シラがシンロイを向く。

え、いつの間にか神ニーヴァがシンロイに降りてる。

「トカラの懸念は理解した。その上は我の関知する所ではない」うわー、この神様、変わらないな。

「でも神様のお役に立てたんでしょ?何とか・・」あたしおれ言ってみる。

「その者も得る物があったであろ?何と言ったか。フィールドワーク?大いに喜んでいた筈だが」

また珠が一つ飛んだ。

「茶番はもう良いわ。私は戻って再起を計る。嫌でも協力して貰うわよ、望月クン」

“覇者”から何かがゆらいで立ちのぼる。あたしの危険センサーがマックスを振る。でもどうする?

スプラッタやるか?秦野先生に繋がってると思うとためらいが出る。


その時。

「愚か者め。この世界から去るが良い」巫女シラ――神トカラが軽く手を振った。


突然、“覇者”が苦悶の表情を浮かべる。

「あ?あぐうっ、うあああああ」体をかきむしる。

巫女装束から煙が立ちのぼり、すぐに炎になった。

「いぎゃあああっんがああああうぐおおお!」“覇者”は火だるまになって地面を転げ回る。

やがて体は動かなくなり、元体だった真っ赤な物体から青い炎が勢いよく噴き出す。その物体は炎を出しながら徐々に崩れ、小さくなっていき、最後には白い骨の粉だけが残った。

あたしおれ達はただ呆然と見守るだけだった。

そう言えば神トカラには警告されたことがあったな。この世界に危険をもたらすなら焼くと。一歩間違えたらあたしおれもこうなってたんだ。背中に脂汗がすすーっと流れ落ちた。

「トカラ神殿を襲った奴らもこうなったらしいよ」巫女シラが蒼い顔で言う。神トカラは去ったらしい。

巫女シンロイはへたり込んで魂ここにあらずって顔で荒い息。“覇者”の断末魔の苦しみが流れ込んできた、と後で教えてくれた。

「行きましょ、ミクル様。私たちの勝ちです。」巫女アムネ、あたしおれの肩を抱いて微笑む。


“覇者”が討たれた事が伝わると、案の定、山向こうの軍勢は総崩れになった。

特にニーヴァの巫女達が皆半狂乱になったので恐怖に襲われたらしい。彼女たちはシンロイと同じように“覇者”の断末魔を味わったんだ。

でも追い打ちはかけないように伝達した。いずれも“覇者”に強制された人たちだ。おとなしく山向こうに戻ってくれれば良い。これ以上、こちらにも犠牲を出したくない。

ただ、盗賊のように集落を襲うなら容赦しなくて構わない。そこはけじめよね。

逃げる彼らの間に一つの風評が広まった。

「ミクルの里に手を出すと神トカラに焼かれる!」と。

うーん、かなり違うけど、ま、良いか。里の安泰に繋がれば。


二人の鬼人、ニイラとタンタは放っておく訳にもいかないし、色々聞きたいこともあるので里に留めた。

念のため巫女シンロイに封印の珠を二人に架けておき、危険なときはいつでも封印できるようにしておく。

まずタンタが目を覚ました。あたしおれ達を見てちょっと目を細めたけど特に危険な様子は無い。

「よっ。いつぞやは世話になったな」カガンがにやっとして言う。

「ああ。言い訳はしねーよ。好きにしな」おー、なかなか潔い。

「それじゃこれまでの事、話してくれるかな?ニーヴァにはどうして?」あたしが聞く。

「売られたのさ。村が襲われて子供の頃さらわれた。で、神殿で服従の呪を掛けるとき、神殿が買い取った。こっちのニイラも同じさ」

「大虐殺の時?」あたしおれが念を入れる。

「そう聞いたよ。」

「それならあたしも同じね。ミクルって覚えてる?」

「村のことはよく覚えてねえ。小さかったからな」

「他に鬼人は居たか?」カガンが聞く。

「居ねえ。ミクルってあんたか?ニーヴァの巫女の話じゃこの四人だけだ」

「村の事は何も解らないか」カガンがため息をつく。

「ミクルはわたいの又従兄弟はとこだよ」ニイラが目を覚ました。

「ニイラはあたしのこと覚えてるんだ!」

「覚えいでか。二回も肥だめに突き落とされたかんな。やんちゃなガキだったさ」苦笑いする。

「はは、そりゃまあ、悪かったわ」ここは頭を掻いて流す。

「ニイラは俺らより年上だ。俺の事も覚えてた」

「俺の事は?」カガンが乗り出す。

「覚えてね」

「つれねーな」肩を落とすカガン。

「それより、これからの事なんだけど、二人ともどうしたい?呪は解いてある」あたしおれは話を変えた。

「殺すんじゃねえのか?」タンタが驚く。

「服従の呪がかかってたんだ。罪にゃならねーよ」こういうとこはカガン、良い奴。

ニイラが突然泣き出した。

「わたい、悪い夢見てたんだ。いっぱい人殺した夢。やっと夢から覚めたんだ」

タンタがゆっくりニイラの背中を叩く。

解る。その気持ち。封印されているときは自分のことが別の人間のような感覚になる。禁止されれば、こうしたいと思っても体が言うことを聞いてくれない。命令されればしたくない事もやってしまう。そのうち、心が凍ってしまうんだ。

「しばらくゆっくり考えて。元の神殿に戻っても良いし、この里に住んでも良い。あなた達は良い狩人だろうから歓迎するわ。ただし、三年以内に読み書き計算を覚えること。良いかな?」

あたしおれはカガンに目配せして外に出た。シンロイが封印の珠をそっと外しているのが見えた。


里を元の状態に戻すにはかなり手間がかかった。柵や逆茂木は全部抜いてまきにすることにした。丘の上に待避させた資材を戻す。彼らに荒らされた畑地をならす。罠も危ない物は取り除く。

でも、洪水で敵もろとも押し流す、という最後の手段を取っていたらはるかに手間がかかっただろうね。不幸中の幸いだった。これもハタのおかげだよ、うん。

神殿も各集落も順調に日常に戻っていった。

ニーヴァ神殿のごたごたは彼ら自身に任せることにした。彼らが何か隠していたわけでは無く、連絡も連携も滅茶苦茶だっただけなんだ。それを信者に知られたくなくて妙に秘密主義になってた。なんかそういうの、俺の世界でも心当たりあるな。

シンロイによるとニーヴァ神殿の後始末は結構血なまぐさい事もあったらしい。シンロイに頼った巫女を何人か面倒見た。でも、それ以上は知る気も無い。ルシュ神殿も関わりになりたくなさそうだったし、あたしおれもこれ以上面倒はまっぴらだ。神ニーヴァよ、ちゃんと面倒見ろって。あたしおれは関知しないよ?

巫女シンロイは神殿に戻らず里にとどまると決めた。“覇者”の最後は本当にショックだったらしい。これがニーヴァの巫女としての縛りを解いた。何より里の医学情報に強く引かれた。温泉にもね。

で、あたしおれは異世界に繋がっている事を打ち明けた。

「そうですか。不思議とは思えませんね。これだけの知識ですもの」シンロイはあっさり受け入れた。

その後は機関銃のような質問攻めで、あたしおれは医学や薬学の専門書に取り組むハメに陥った。彼女は植生に詳しいチッキとも意気投合し、新しい薬草の発見に勤しみ、ワクチン、抗生物質を実現する。アルタラと共同でトカラ神殿に赴き、手術刀や注射器、顕微鏡の開発まで手がけた。この過程でトカラ神殿のシンビラーはガラスの製造に成功する。彼女は自分でも医学書を書き連ね、この世界の至宝となっていく。最後にニーヴァ神殿を平和裏に纏め上げたのは彼女の功績だ。が、ま、それは遠い遠い後日譚。

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