13


 翌日、報せを受けたおばさんが真っ青な顔をして駆け付けて来た。

「秋ちゃん! 秋ちゃん!?」

 突然、悲鳴のような声で名前を呼ばれて、私は慌ててカーテンを開けた。

「おばさん!?」

 私の声に振り返ったおばさんは、血の気の引いた顔でベッドまで駆け寄って来た。

「秋ちゃん! どうしたのよ!? 倒れたって聞いて……」

 言い掛けて、おばさんは私をまじまじと見つめて、私の頬を両手で包み込むと声を震わせて言った。

「あぁ……秋ちゃん、どうしたの、こんな、こんなに痩せちゃって……」

 そう言ったおばさんの表情が今にも泣き出しそうで、私は途端に申し訳ない気持ちで一杯になった。何も言えず、ただ苦笑いを浮かべていたら、泣きながら抱きつかれ驚く。

「もう! どうしてこんな……!」

 おばさんの腕は物凄く強い力で、少し苦しくなった。でも彼女はもっと苦痛に歪んだような表情をしていて、私はどうしておばさんがそんな顔をするのかわからなかった。

 すると戸惑う私に、おばさんが大きな声で言った。

「あなたにまでいなくなられたら、私たちどうやって生きていけばいいの!」

 正直、驚いた。おばさんが私のことをそんな風に思っていてくれてるなんて、思いもしなかった。

 ──私でも、支えになれるんだ……。

 まるで大きな希望が増えたようで、とても嬉しかった。

「ごめんなさい……」

 自然と言葉がこぼれていた。

「ありがとう、おばさん……。わざわざ来てくれるなんて、思わなかった」

 おばさんは少し驚いた顔をした後、優しく笑うと、

「当たり前じゃない。とっくの昔から、あなたはうちの子なんだから」

 と言ってどこか誇らしげに微笑んだ。

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