第26話 Bランクのパーティー動く
氷獄のエスエの出現にギルドマスターのカスパーはカールハインツ・ド・ルマール男爵に早馬で簡単な状況報告をする。そして、王都の冒険者ギルドに送る報告書を書き始める。
カールハインツは報告を受けると自ら冒険者ギルドに足を運ぶ。
「ギルドマスターのカスパーはいるか。」「マスターは執務室です。」
デリアが答えるとカールハインツは執務室に向かう。彼には俺たちが見えていないようだった。そして、顔がこわばっている。
氷獄のエスエの出現は、ルマール男爵領の存亡の危機であるに違いない。カールハインツは執務室に入ると怒鳴る。
「カスパー何をしている。討伐隊はどうした。」「討伐隊を組める状況ではない。Sランクの「アニエス様をあがめ隊」とBランクのアリスはエスエの配下の魔族と戦って消耗している。」
「彼らは逃げてきたのか。」「いいや、魔族を倒したよ。命がけでな。」
「どうしたらいいんだ。」「今、王都のギルドに応援を求める報告書を書いている。」
「応援はいつ来るんだ。」「早くても半月以上かかるな。」
「領内の兵を招集しているがエスエと戦えるか。」「魔物相手なら戦えるだろ。」
「エスエはどうする。」「俺が「アニエス様をあがめ隊」とアリスを率いて時間を稼ぐ。」
「分かった。宮廷魔法士に応援を頼むよ。」
カールハインツはローズたちを頼ることにする。
俺たちは生き残った冒険者から話を聞く。
「エスエは多くの魔物を従えていて近づけなかった。」「エスエはどんな奴なの。」
「いい女だった。アニエス様ほどじゃないが見とれるほどだった。」「エスエはどんな力を使ったの。」
「使っていない。俺たちには必要なかったんだ。ただ、エスエが来たと伝えろと言われたんだ。」
冒険者はうなだれる。一緒にいたBランクのパーティーのリーダーが言う。
「こいつは魔物が怖くて逃げてきたんだ。魔物さえ倒せば、エスエは倒したも同然さ。」「氷獄のエスエは7大魔族の1人よ。手ごわいわよ。」
アネットが注意するがBランクのパーティーは鼻で笑って言う。
「あんたら、配下の魔族に苦戦したんだろ。かたきは俺たちでとってやるよ。」
Bランクのパーティーはローム村へ向かって行く。彼らには「アニエス様をあがめ隊」が来るまで、ギルドで一番だった誇りがあった。
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