第18話 コロール村の戦い

 俺たちCランク冒険者は、アダムの後を追ってコロール村の近くまで来る。途中、アダムは俺の足が遅いため、ついてこられるようにスピードを調節する。

 他の冒険者がアダムに言う。

 「あのチビに合わせて走っているのか。」「我々が必要なのはアニエス様の応援だ気に入らなかったら帰っていいぞ。」

 「帰れるわけないだろう。今帰ったら臆病者になってしまう。」「ならばアニエス様について走れ。」

他の冒険者は俺に合わせて走ることになる。7歳児の足だ彼らにはゆっくりだっただろう。

 ようやく俺たちは到着する。そこには「アニエス様をあがめ隊」が待機していた。アヒムが俺たちに言う。

 「俺たちが切り込むから、お前たちは後に続いて魔物を1匹づつパーティーで倒していって欲しい。」「アヒム、私の話を聞いて。」

 「アニエス様、何でしょう。」「まず。私とアネットの魔法で魔物を蹴散らすからそれから突入してくれない。」

 「魔法で魔物を蹴散らすのですか。」「ええ、パイルサイクロンを使います。」

 「アニー、パイルサイクロンなんて使ったら村がめちゃくちゃになるわ。」「そうよ。魔物をミンチにしましょう。」

 「俺はアニエス様に従うだけですが、アネット様はよろしいのですか。」「あなたたちの獲物が半減するけど、私は了解したわ。」

こうして、俺とアネットの魔法攻撃で魔物に打撃を与えて、「アニエス様をあがめ隊」が突入して、それからCランク冒険者が後から続くことになる。

 俺とアネットは風下から村に近づき、魔物が固まっているところを狙って詠唱を始める「我を遮るものを砕き穿て。パイルサイクロン」

 強力な風の渦が起こり巻き込んだものを粉々に砕いていく、それは魔物でも逃れられない。魔物は粉々になり細かな肉片に変わる。

 俺が魔物化したホーンボーア3匹、ワーウルフ5匹、アネットがシルバーグリズリー7匹を餌食にする。

 ワーウルフが10匹、俺とアネットに気づき向かってくる。俺とアネットは2人で40本のファイアーランスを作りだし、ワーウルフに向けて撃ち出す。

 ファイアーランスで6匹のワーウルフを仕留める。さらにワーウルフは近づいて来る。俺には2匹飛び掛かってくる。俺はサンダーボルトを発動させた状態でワーウルフをさばく。

 2匹のワーウルフは黒焦げになり倒れたまま動かなくなる。

 アネットにも2匹のワーウルフが飛び掛かってくる。彼女は高速詠唱でマグマウォールを作りだす。ワーウルフはマグマウォールに突っ込みそのまま焼け死ぬ。

 「アニエス様をあがめ隊」のヒーラーディルクと魔法士エック、エマ、ヨーゼフの4人が3匹のシルバーグリズリーにファイヤーボールを撃ちこんでけん制する。

 アヒムが先頭に突っ込みシルバーグリズリーの心臓を刺し貫く。さらにベントとディートがシルバーグリズリーを討ち取り、残りの1匹もベルン、クリストフが討ち取る。

 アネットがホーンボーアにファイヤーランスを撃ち込むとCランク冒険者パーティー2組で取り囲んで倒す。

 俺はホーンボーアにファイヤーボールを撃ち、炎で包む。もがくホーンボーアをアニタが剣で首をはねる。

 アヒムは、魔物の討伐が終わると俺たちに言う。

 「生存者がいないか探すぞ。」

みんな生存者を探し始める。俺はスィープ・サーチで埋もれている空間はないか探す。探知魔法で探していたアネットが生存者を見つける。

 生存者は崩れた建物の下敷きになっていた。生存者を助け出すとディルクがヒールする。村の男が生存者に声をかける。

 「他の人たちはどうしたんだ。」「逃げる暇なんてなかったよ。俺は逃げ遅れて家の下敷きになったんだ。」

男は茫然となる。俺たちは男と生存者にかける言葉はなかった。俺たちは2人を連れて街に帰ることにする。

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