第17話 緊急招集
「アニエス様をあがめ隊」の面々は、コロール村の男の案内で村に近づく。男が村に近づこうとすることをアヒムが止めて言う。
「ここで村の様子を探るぞ。」「早く行かないと村が全滅してしまいます。」
男がアヒムに言う。
「あんたが村を出てどの位経った。」「昨夜の深夜に村を出ましたので半日以上経っています。」
「なら、村人は全滅しているかどこかに隠れているかだ。」「ならば、急いで魔物を追い払わないと・・・」
「あんた、どのくらいの魔物がいるのかわかるのか。」「急いで村を出たのでわかりません。」
「そんな、どのくらい魔物がいるかわからないところには飛び込めないな。」「じゃあ、どうするんだ。」
「アダム、村を探ってきてくれ。」「分かりました。」
アダムは村へ駆けて行く。アダムが物陰から村の様子を見るとワーウルフ、シルバーグリズリーと魔物化したホーンボーアが村の中を徘徊して、村人の死体を貪り食っている。
彼が村を見る限り生存者はいない。「アニエス様をあがめ隊」が戦えない相手ではないが村にいる数が問題だった。彼は戻るとアヒムに報告する。
「魔物はワーウルフ、シルバーグリズリーと魔物化したホーンボーアだ。村人の生存者は見当たらない。」「そうか。」
「数が多すぎる。ワーウルフ15匹、シルバーグリズリー10匹、ホーンボーア5匹だ。」「応援が必要だな。」
「分かった。ギルドに行って、人手を集めてくる。」「頼むぞ。」
アダムは走ってギルドに向かう。
「あんたたち、戦わないのか。」「数が多いんでね。今は、死体を食っているから村からは移動しない。今のうちに戦力を整えるのさ。」
「俺の仲間が食われているんだぞ。」「仕方ない。放っておけば次の村が襲われる。ここで狩るしかないんだ。」
アダムが冒険者ギルドに駆け込むとギルドから赤いのろしが打ち上げられる。これは緊急招集の合図だ。
俺たちは昼休みに入るところだったが、すぐに森を出て街に戻る。途中、他のパーティーと合流する。彼らも森に入っていたのだ。
ギルドに入るとデリアが説明する。
「コロール村が壊滅しています。ワーウルフ、シルバーグリズリーと魔物化したホーンボーアが多数徘徊しています。Cランク冒険者の方は今からアダムさんと村へ向かってください。」
アダムが言う。
「魔物は村人の死体を食べるために留まっている。今のうちに退治しないと他の村が襲われる。走ってついて来てくれ。」
彼はそう言うと走り出す。俺たちCランク冒険者たちは彼の後を走り出す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます