第26話 バラのペンダント
俺たちは喫茶店を出ると表通りを歩く、そして宝石店に入る。ローズは目を輝かせる。う~ん、異世界でも女性は宝石が好きらしい。
彼女はペンダントを見ている。俺がプラチナでバラの花弁を模し中央にルビーがはめ込まれたペンダントトップの付いているペンダントを買ってローズにプレゼントする。
赤いバラの花ことばは「あなたを愛す」だ。花言葉に気づいて俺と結婚してほしい。ローズは驚いて言う・
「アニー、こんな高価なものはいただけません。」「私の気持ちを受け取ってください。」
「甘えんぼさんね。」「えっ。」
ここは異世界だった。花言葉が同じなわけがない。どんな花言葉なんだ。
「あの、お姉さま、私甘えていますか。」「赤いボラの花言葉は、私を愛してくださいよ。」
「私、あなたを愛すだと思っていました。」「どちらにしろ、アニーは私が大好きなのね。」
「はい、愛してます。」「その言葉は大人になるまで取っておきなさい。きっと素敵な男の人が現れるわ。」
「私はお姉さまがいいんです。」
俺は男と恋仲になるなどまっぴらごめんである。
「分かったわ、これはありがたくいただくことにします。アニー、ありがとう。」「うれしいです。」
この日からローズはバラのペンダントを付けることになる。しかし、彼女が俺の気持ちに気づく日は遠そうだ。やはり男に生まれ変わりたかった。
俺は気を取り直して、ローズと表通りを歩く。そろそろ昼になるので食事をするところを探し始める。
すると白い女の子が裏通りから出てきて、足を取られたように転ぶ。俺は思わず声をかける。
「大丈夫?」
女の子は答えない。ローズが言う。
「この子奴隷よ。」
よく見ると両足に足かせがつけられ鎖でつながっている。俺はウインドカッターで足かせを切断して外す。ローズが驚いて言う。
「アニー、何やっているの。」「この子に足かせはいらないと思ったのです。」
「この子は奴隷だから所有者がいるのよ。」「そうなんですか。」
この時耳障りな男のだみ声が聞こえる。
「何やってくれているんだ。こいつはうちの商品なんだよ。どうしてくれるんだ。」「足かせを外しただけでしょ。連れていけばいいわ。」
ローズが言い返す。男はローズを好色そうな目で見る。
「そうだな、奴隷が3人に増えたと思えばいいか。」「何を言っているの。」
「さあ、お前たちも来るんだ。」「いい加減にしろ。」
俺は思わず男の口調で行ってしまう。俺と男の目が合う。すると男が頬を赤らめて言う。
「俺が間違っていた。妻と奴隷2人だ。お嬢さん、俺と結婚してくれ。」
男は俺の手を取って言う。ローズが切れる。
「稲妻よ集いて災いを打ち払え。サンダーボルト。」男がけいれんを起こして倒れる。俺はローズが手加減をして男が死なないことを祈る。
しかし、男は瞳孔が開き、呼吸をしていない。それにいつの間にか人が集まってきている。俺はまずいと考える。
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