第27話 アレってな~に
ローズは青くなり震えだす。
「どうしよう。殺してしまったみたい。」「人々が集まっています。衛兵に来てもらいましょう。」
「私、捕まるのかな。」「お姉さまは私をこの変態から守っただけです。」
「そ、そうよね。こいつ変態なんだし死んでも仕方ないわよね。」
俺たちがおろおろしていると白い女の子が死んだ男を指さして言う。
「この人、私のお父さんとお母さんを殺したの。」「この人は人殺しですか。衛兵に話してもらえますか。」
俺は白い女の子の証言がローズに有利に働くと考える。
しばらくすると誰かが知らせたのか衛兵が2人駆け付ける。ローズが手を上げて言う。
「私が殺してしまいました。」
俺は白い女の子に頼む。
「衛兵にさっきのこと話して。」「うん、この人、私のお父さんとお母さんを殺したの。」
衛兵は倒れている男を見る。そして、会話を始める。
「こいつ、死んでいますね。」「そうだな、これアレだろ。」
「そうですね。アレです。」「まあ、手間が省けたな。」
俺はアレがなんだかとても気になる。俺は衛兵に聞く。
「アレって何のことですか。」「ああ、こいつは賞金首だよ。旅人の親を殺して子供を奴隷にして売り飛ばしていたんだよ。」
「殺したのは君でいいのかな。」「はい、ローズ・ド・ルマールです。」
「あとで賞金を渡すからどこへ持っていけばいいのかな。」
ローズは泊まっている宿を教える。彼女は事態の変化についていけていない。
「私は捕まらないのですか。」「捕まえるなんてとんでもない。よくやってくれたよ。」
「は、はい、ありがとうございます。」
ローズは何度もお辞儀をする。衛兵は男の死体を運んでゆく。俺は無事に済んでホッとする。いや、問題は残っていた。白い女の子である。
俺は女の子を見る。そして、落ち着いてみると頭に耳がついている。これって猫耳なんじゃ・・・
「あなた、猫族?」「いえ、トラです。」
「でも白いのね。」「私、変わり種なので真っ白なんです。」
落ち着いたローズが女の子に質問する。アルビノと言う奴だろうか、確かに目の色は赤だ。
「あなた、名前はなんて言うの。」「アニタ・パレスです。」
「行くところはあるの。」「ありません。両親と行商の旅をして生活していましたから家はありません。」
「孤児院にでも預けたほうがいいかしら。」
ローズは考え込む。俺は初めて見る獣人を逃す手はないと考える。
「アニタ、私はアニエス、5歳よ。」「私は6歳です。」
「行くところがないのなら、私の従者をやらない。」「従者ですか。」
「悪いようにはしないわ。」「アニー、待って。勝手に決めていいの。」
「私、歳の近い従者が欲しかったの。トラ族なら強そうだし良いと思うわ。」「ジルベール様なら・・・アニーに甘いから認めるわよね。」
「アニタ、私の所へ来て。」「私は行くところがありませんから、お願いします。」
「それじゃあ服を買いに行きましょ。」「この服ではだめですか。」
「アニタは奴隷でなくて私の従者なのよ。」「はい。」
アニタは今はボロボロであるが整えればかわいくなると思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます