第24話 アネットと戦う
8人の中級魔法士の合格者は、1回戦の結果、4人になる。2回戦は2試合行われる。俺の相手は20代前半の女性であるのでチャームの影響は受けない。
試合が始まると彼女は詠唱を始める「熱き力よ、集いて形を成せ。ファイヤーボール」かざした右手の平に炎が集まり始める。魔法の発動が遅い。
俺はウオーターボールを撃ちこむ、彼女はウオーターボールを頭に受けて気を失う。俺は決勝戦に進むことになる。
アネットの相手は10代後半の男子である。試合が始めると2人は同時に詠唱を始める「命のしずくよ、集まって形を成せ。ウオーターボール」
彼女の方が詠唱の早さも魔法の発動も早い。男子は「ドン」と鈍い音立ててウオーターボールを腹に受けて飛ばされる。男子は床に転がり動かなくなる。
彼女は手加減なしでウオーターボールを撃ちこんだようだ。男子は担架で運び出される。
これで決勝戦は俺とアネットで戦うことになる。彼女は俺に話しかける。
「怪我したくなかったら棄権しなさい。」「勝てるとでも思っているの。」
「ふん、試合で後悔させてあげるわ。」「後悔するのはどちらかしら。」
試合が始まる前から彼女はやる気満々である。俺もアネットを圧倒して勝ちたいと考える。
俺とアネットの試合が始まる。彼女は俺を睨みつけている。そして詠唱を始める「熱き血を力に変えて、立ちふさがるものを貫け。ファイヤーランス」
おいおい、いきなり炎の槍かと思う。彼女は詠唱と発動が早い。しかし、無詠唱の俺の方が早い。彼女は炎の槍を俺に向けて撃ち出す。
俺はウインドシールドで受け止める。俺の魔力なら炎の槍を楽に受け止められる。彼女は次にファイヤーランスを5本作りだす。俺も対抗してファイヤーランスを10本作りだす。
俺たちの炎の槍は打ち消し合うが俺の方が5本多い。彼女はウインドシールドで炎の槍を防ぐ。俺は引き続きファイヤーランスを10本作り、撃ち出す。
彼女はウインドシールドで防戦一方になる。俺は手を緩めない、ファイヤーランスを10本づつ作り撃ち出し続ける。ローズが俺に警告する。
「飛ばし過ぎよ。魔力切れに気を付けて。」
しかし、俺は魔力を抑えているためか魔力切れを起こしたことがない。アネットもウインドシールドで耐えながら魔力切れを狙っているのかもしれない。
俺はファイヤーランスを10本づつ作り撃ち出し続ける。彼女の息が上がってきている。彼女は肩で息をして苦しそうだ。
俺のファイヤーランスは確実に彼女を追いこんでいる。俺には彼女がウインドシールドを必死に維持していることが判る。
そして、ウインドシールドが消える。俺はファイヤーランスを止める。炎の槍は彼女の目の前で止まる。彼女が俺に言う。
「どうして、私が先に魔力切れを起こすの。あなた化け物ね。負けたわ。」「あなたも十分強いですよ。」
俺は優勝して金バッチを送られる。
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