第23話 アネット対ポール
俺は首席で合格したことになる。2位がアネット・フォン・モンレルランで3位がポール・トレイユである。
俺たちは明日の魔法士の試合の組み合わせを決めるくじ引きをする。8人で勝ち抜き戦をして優勝者に金バッチが与えられるのである。金バッチは魔法戦の実力者の証である。
ローズは合格祝いにレストランで食事をおごってくれる。まだ明日試合があるのだが、自分のことのように喜んでくれるのはありがたい。
「アニー、おめでとう。首席で合格なんて嬉しいわ。」「お姉さま、まだ試合が残っていますわ。」
「大丈夫、優勝できるわよ。」「アネット・フォン・モンレルランがいますわ。」
「無詠唱のあなたの方が有利よ。」「だといいのですが、何か手を打ってくると思います。」
「私なら防御に徹して、隙が出来るのを待つわね。」「それなら防御を破るまでです。」「アニーならできそうだから怖いわ。」
その夜、俺は合格の祝いにローズと一緒に寝てもらう。俺は5歳の少女だから甘えてもいいはずだ。うん、やましいところはない。美少女の添い寝は最高だ。
翌日、朝食を食べると魔法士学校へ行く。昨日、実技試験をした魔法訓練場に入ると他の合格者たちはすでに来ていてウオーミングアップをしている。
俺も合格者たちに交じるとアネット・フォン・モンレルランが声をかけてくる。
「随分余裕ね。無詠唱で魔法が使えるからって楽に勝てるとは思わないことね。」「油断はしませんわ。」
彼女も俺を意識しているようだ。だが10歳の女の子と仲良くなろうとは思わない。
俺の最初の相手は男子である。彼は俺に言う。
「僕は、華麗な天使に暴力を振るいたくはない。ここは愛し合おう。」
俺は問答無用でウオーターボールをぶつける。彼は昏倒してそのまま運び出されていく。
アネットの初戦の相手はポール・トレイユである。アネットが詠唱を始める。
「熱き血を力に変えて、立ちふさがるものを貫け。ファイヤーランス」
詠唱が早い。ポールは、とっさに「いぶきよ集いて我を守る盾と成せ。ウインドシールド」と詠唱する。
炎の槍がポールを襲う。彼はウインドシールドでまともに受けず。斜めに受けて槍を受け流す。
しかし、アネットはファイヤーランスを続けて撃つ。ポールは防御に専念することになる。彼はファイヤーランスを7本まで受け流した。
そして8本目のファイヤーランスをウインドシールドでまともに受けてしまう。炎の槍はシールドを貫く。ポールが炎に包まれる。
次の瞬間、炎は消え去る。炎はアネットに完全にコントロールされている。ポールは負けを認める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます