　翌朝、俺たちは朝食を済ませると宿を出て、ローズの案内で冒険者ギルドへ行く。元野盗たちの護衛はここまでになる。俺はギルドがどんなところか見たかったのでローズに頼んで見学することにする。

　元野盗たちは冒険者の手続書に必要事項を書く。字を書けない者には、職員が代筆してくれる。冒険者はランクがＳからＥまであって、Ｅから始まり実績によってランクが上がっていく。

　他に魔力、魔法、剣技の３項目でＳからＥのランク付けがされる。彼らは次に魔力を判定される。魔力の大きさを測る魔法キャリブレイトで判断され、彼らはAからEのランクである。

　ちなみに俺やローズはＳランクである。次に魔法のランク付けがされる。彼ら１０名の中で魔法が使える者は４名いた。

　魔法の使えない者はＥランクで下級魔法士でＣランク、中級魔法士でＡランク、上級魔法士でＳランクになる。

　彼ら４人はＡランクが１人、Ｂランクが２人、Ｃランクが１人だった。

　剣技は職員が剣の相手をしてランクが決まる。ちなみに相手をする職員はＳランクである。彼らの判定結果はＡからＣランクである。

　ローズは彼らの判定結果を知って冷や汗を流して言う。

　「戦っていたらやられていたわ。」

彼らは意外と優秀らしい。冒険者などにせず、俺の手下にしておけばよかったかもしれない。こうして登録が終わり、１０人の冒険者が生まれる。

　そして彼らはパーティーを組む、ぱーていー名は「アニエス様天使の会」にしようとしている。俺は恥ずかしいからやめてくれと頼む。

　すると彼らは「アニエス様の下僕の会」と名付ける。俺は彼らに懇願する。

　「アニエス様は恥ずかしいから外してほしいですわ。」「何を言っているのです。アニエス様がいたから冒険者になったのです。」

　「お願い。アニエス困っちゃう。」「うーっ、かわいいー、でもここは譲れません。」

俺の恥ずかしい「お願い」も通用しない。彼らは結局「アニエス様をあがめ隊」と名付ける。俺は彼らと距離を取りたいと思う。

　依頼は最初のうちは、どぶ掃除やネズミ退治など街の中での依頼をこなすのだが、「アニエス様をあがめ隊」はすでに腕が立つため、護衛や害獣駆除などの依頼を紹介される。

　彼らは、俺が王都にいるうちは、王都から離れたくないという理由で、王都の近くの村に出没するホーンボーアの駆除を引き受ける。

　ホーンボーアはイノシシに角が生えたような動物で畑を荒らすらしい。

　俺は、「アニエス様をあがめ隊」が俺のいる街について回って活動するのではないかと心配になる。

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