第15話 バレーヌ伯邸に着く

 俺たちはバレーヌ伯邸に着く。御者が兵にアニエス・ド・ボドリヤールが着いたと取り次ぐように言う。しばらくして扉が開けられる。

 俺とローズは迎え入れられ中に入る。御者と護衛たちは別の入り口に案内される。俺とローズは使用人に案内される。庭は手入れがされてきれいである。

 玄関を入るとファヴィアン・フォン・バレーヌが妻と共に迎えてくれる。俺は挨拶をする。

 「アニエス・ド・ボドリヤールです。今日は訪問の機会を与えていただきありがとうございます。」「ジルベール殿の御息女ならいつでも歓迎です。」

ローズが自己紹介をする。

 「ローズ・ド・ルマールです。アニエス様の魔法の教師をしています。」「その若さで教師をしているのですか。」

 「ローズ先生は私の尊敬する魔法士です。10代で上級魔法士になられた天才です。」「それはすごいですな。それでアニエス嬢も5歳で中級魔法士の試験を受けることになったのですな。」

 「はい、先生のおかげです。」

その時、ファヴィアンの横にいた10代後半の少年が言う。

 「父上、私のことも紹介してください。」「ブレーズ、待てないのか。お恥ずかしい、愛らしい花が2輪も咲き誇っているので息子もうれしいらしい。」

 「ブレーズ・フォン・バレーヌです。思わず一目惚れをしてしまいました。」「何を言っている。ローズ先生に惚れたのか。」

 「いえ、アニエス様です。可憐で天使のようではないですか。」「アニエス嬢はまだ5歳だぞ。」

 「父上、歳の差は関係ありません。結婚の約束をしたいです。」「ブレーズ様、私は中級魔法士の試験で頭がいっぱいです。殿方のことは考えられません。」

 「アニエス様、私は諦めませんよ。」「ブレーズ、いい加減にしなさい。アニエス嬢、失礼をした、許してくれ。」「私は大丈夫です。」

この後、俺たちは部屋に案内される。俺は部屋でくつろぐことにする。男に言い寄られるとは気持ち悪い思いをした。これからもチャームのせいで嫌な思いをするのだろう。

 しばらくするとローズが部屋に入って来る。彼女は俺を抱きしめる。う~ん、気持ちいい。癒される―

 「アニー、怖い思いをしたでしょ。でも私がついているから大丈夫よ。」「お姉さま、びっくりしただけです。」

 「私も言い寄られて困ったことあったけど最後は魔法でボコボコにすればいいのよ。」「はい。」

本当に暴力で解決して良いのだろうか。まあ、5歳児にやられたとは恥ずかしくて言えないよな。

 「しかし、アニーはもてるね。アニーと居ると私に男が寄って来ないから安心だわ。」「私は困ってますよ。」

ローズはチャームと言う俺の能力に気づいていない。この後、俺は風呂に入る。風呂は豪華で広い。もちろんローズも一緒である。

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