第5話 魔法の固定

 俺は「誰にでもできる魔法」から風魔法のウインドシールドを学ぶ。詠唱は

 「いぶきよ集いて我を守る盾と成せ。ウインドシールド」

である。この本からは3つの魔法しか学ばなかった。

 「誰にでもできる魔法」はヘルフレイムとかメテオフォールなどの災害級の魔法にページをさいている。

 はっきり言って、魔法を覚え始める者にとって必要のないものである。本の作者はヘドガル・フォン・ハーゲンドルフとなっているが何を考えているのだろう。

 俺は次に「魔法の基礎」と言う本を読むことにする。この手の題名の本は理屈ばかりで実用的でないと感じるがとりあえず3つ魔法を覚えたので理屈を読むのもいいだろう。

 本によると魔法は、発現と固定に分けられるそうだ。発現は分かるが固定の意味が分からない。手っ取り早く女神テイアでぐぐることにする。

 (テイア様、魔法の固定というのは、どういうことですか。)(簡単に言えばコントロールすることよ。)

 (もうちょっと詳しく。)(たとえばファイヤーボールは、標的に向けて飛ばすでしょ。ボールの形状を保って飛ばすことがコントロールよ。)

 (ありがとうございます。)(それより勇者のサポートのための人脈づくり進んでいるの。)

 (2歳児に何を期待しているのですか。)(なら、早く魔法を覚えて有名になりなさい。)

 (メテオフォールとか覚えるんですか。)(そんなもの覚えなくていいわ。)

 (とりあえず、がんばります。)(あと14年しかないんだからね。)

テイアに発破をかけられてしまった。俺の感覚だと「あと14年もある」なんだが・・・

 とりあえず、俺は魔法の固定をやっていなかったことになる。よしファイヤーボールで練習だ。

 「熱き力よ、集いて形を成せ。ファイヤーボール」はい、イメージ。

 小さな炎の玉が出来る。言っておくが小さな玉しか作れないわけだは無いぞ、部屋の中だから力を抑えているんだ。ほんとだぞ。

 俺は炎の玉を維持しながら部屋の中を漂わせる。これ集中しないとできないわ。

 俺は部屋の中で魔法の固定を練習することにする。まだ、外で自由に遊ばせてくれないからな。

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