第3話

「それは……」

「ショックうけるわよね。だって碧はめちゃくちゃ楽しみにしてたんだもの。その思いを踏みにじられたらどんなにショックか。私はよぉ〜くわかるわ!」

「いや、それは」

「碧がね、帰ってきて言ったのよ。『ママ、サンタさん、いないの?』って」


 ランドセルの肩ベルトを握りしめて、涙をこらえていた。自分が信じているものを否定されて悲しくて。それも仲良しのお友達から言われたから、よけいに辛くて。ユキちゃんの言葉を信じたくない。だけどユキちゃんが嘘つくとも思えない。


「サンタさんって、信じてる子にしてみれば一年に一度の大切な日だもの。親からもらうのとは違う。ドキドキワクワクする大切な日。それを否定されるなんてね。昌樹だって碧がどれだけ楽しみにしていたか、知ってるでしょう? それを否定されるのがどんなにつらいか、、わかる?」


「……耳に痛いな」


「夢を失うのって傷つくのよ。何年経ってもその事だけは許してあげないわ」

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