第38話 新しいスキル
ロビンの録画配信がスタートすると、妖精たちは大興奮。
アルビダのドレス姿、さらにはジェイデンやジュリアたちと仲良く話しているアルビダの姿を見て、画面が興奮の文字で埋め尽くされていく。
〝ああああああっ! ジュリア様はこんなお姿をしていたのか! ふつくしい〟
〝ジュジュ死ぬ案件必要だったか? こんなにも尊い美少女は生きなきゃだめ! 生きた姿を見れて良かった〟
〝アルビダ様とジュリア様……見てるだけで浄化される〟
〝幼少期のジェイデン様推せる!〟
〝ここは天使のオフ会場ですか〟
ロビンからのご褒美に、妖精たちは大歓喜である。
録画は進み、マウンティー令嬢が登場すると、再び妖精たちが騒つく。
〝ちょと! マウンティーって言った? これって学園でアルビダ様にしょっ中嫌がらせやマウントを取ろうとして、返り討ちにあってたマウント令嬢の幼少期!?〟
〝ほんまや! マウンティーやん。一番不人気キャラで草〟
〝幼少期から性格悪いとか……救いようがない〟
〝無駄なマウントなんよなぁ〟
〝マウント令嬢で草〟
———マウント? どういう意味でしょうか? なんとなくですが妖精さんたちからマウンティー様は嫌われてるのでしょうか?
アルビダは必死に羅列されていく文字を必死に読む。
「あのう……マウンティ令嬢とは、どうお付き合いしたらいいのでしょう?」
〝アルビダ様、お付き合いしない方がいいいです〟
〝マウンティーと関わるな!〟
〝ウザ絡みしかしないぞ〟
〝アビィ様と絡んでほしくないけど、向こうから来るんよなぁ〟
〝アルビダ様逃げテェーーーーー〟
「え……逃げて? 関わるな?」
——学園というのは十五歳になると入学する魔法学園のことですよね? そこでわたくしはマウンティー様と絡んではダメってことですね。
「妖精さん、わかりました。わたくしマウンティー様と関わらないように気をつけますわ」
ロビンの録画配信は意外なところ、マウンティー令嬢のところが一番盛り上がった。
★★★
『アビィ、配信お疲れ様。今日は妖精たちからの応援スパちゃが過去一多かったから、また新しいスキルをもらえるよ』
「本当ですか!? 新しく解呪のスキルを頂けると嬉しいのですが」
『そうだね。なんのスキルを貰えるか見てみよう』
————————————————————————————
【ポイントの交換】
今のポイントで交換できるスキルはこの五つです。
▶︎鑑定レベルアップ
▶︎水魔法
▶︎炎魔法
▶︎雷魔法
▶︎土魔法
—————————————————————————————
———解呪のスキルはありませんね……困りました。なんのスキルを選びましょう。
『何にする?』
「どうしましょう、どのスキルを選んだらいいのか……」
『解呪のスキルがなかったもんね。う〜ん。何がいいかな?』
———こんな時ロビンはどのスキルを選べばいいか答えがわかっているように思うのだけど、その答えは教えてくれません。自分で決断するしかないのです。
「決めましたわ、わたくし水魔法にしますわ」
アルビダはそういうと、水魔法と書いてある文字をタップする。
———どの魔法がいいのか決めかねますが、水魔法が一番初めに出てきたってことは、何か意味があるんじゃないかと思いました。この直感を信じます。
アルビダの直感は当たっているのか?
だが……この魔法を選んだことにより、アルビダの運命は大きく変わっていくこととなる。
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