第6話 AVという名の致命的な脳内小生機能バグに対策する

 職業童貞のみなさんこんにちは。私は抗生物質を投与しても未だに消えない淋病の激痛と戦いながら筆を取っております。いい気味ですか? 酷いです……私は職業童貞の方々が、ナーロッパで雌奴隷を犯すという非現実的な妄想から正気に戻って、現実で素敵な女性との逢瀬を楽しめるように鞭を……もとい、筆を取っているのに……。


 前回はベーグルクッションとTENGAトレーニングカップの組み合わせを利用したハードウェア面において、腰の動きで絶頂を迎えられるようになるためのリハビリ方法を紹介しました。本章においてはリハビリにおけるソフトウェア面でのおすすめを紹介いたします。前回から述べている通り、職業童貞やご無沙汰の方々が〇内〇精障害を発症する一因として代表的なのがAV視聴です。AVによって自家発電を行ってきた期間が長い男性ほど小生行為にバグが生じやすいのです。「過激なAVばかりを見て自慰行為をしていると女性を相手にする時に興奮できなくなってしまう」と過激さを理由にAVを危険視する意見が医学的な視点では大勢を占める意見ではあるものの、私の持論は異なります。


 私の持論は数多くある私の趣味の一つであるビデオゲームの経験と一年間のリハビリで出会ったミ包女臣達から聞いた経験談から成り立っています。私の考えるAVがもたらす害の原因は、その過激さにではなく、AVのカメラ視点にあります。あなたがAVを視聴する時、画面に表示されている動画は何からの視点でしょうか? そう、当然のことながらカメラの視点ですね。ガンシューティングゲームに例えるならば、三人称視点でのプレイしている状態です。言うなればThird Person ShooterならぬThird Person Sexということです。


 一人称視点と三人称視点の切り替えが可能なガンシューティングゲームの場合、三人称視点の方が広範囲に視界を取りやすいという利点があります。何故なら三人称視点の方が数歩引いた地点からキャラクターを俯瞰できるからです。これは小生行為においても同じで三人称視点の方がより小生行為全体を俯瞰することが可能です。例えば後背位で致している最中におしべとめしべがこんにちはさようならしている様子をAVでは真後ろからばっちり観察することができますが、実際の小生行為では男女ともにその様子を真後ろから見ることなど人類の骨格の構造上絶対に不可能です。いざ一人称視点で自分が小生行為を異性と致す時に実現不可能な視点で日常的に興奮し、それを習慣化させてしまうことこそがAVがもたらす最大の害なのだと私は考えます。


 〇内〇精障害のリハビリをしていることを指名したミ包女臣に告げた際にしばしば会話の流れでこの持論を展開しましたが、おおむね納得は得られている印象です。「接客業なんだからお客の話に合わせているだけ」と思われるかもしれませんが、そうとも断言できません。何故ならば納得を得られたと感じたミ包女臣達から割と頻繁に体験談が返ってくるからです。例えば、「100分コースで到達できなかった客が、『普段(AVで)自分でする時は問題なく到達できるのに』とぼやいていた」とか、「正常位で致しているのにひたすら鏡を見る客がいたのはそういうことだったのか」といった具合です。中には後背位になった際は意図的に鏡を利用して男性に自分の顔を見せるようにしているというプロフェッショナルなミ包女臣もいたくらいです。なんでもそのプロ女臣が後背位中に鏡越しに視線を合わせたら、男性が「AVみたいだ!」と感激の声を上げて間もなく果てたとか。一人称でAVと同じ視点の小生行為を自然と行えるのであればこれらのような男性客の癖はないものだと思います。


 もともと男性は小生的な興奮の視覚への依存度が女性よりも高い傾向にあるものの、そんな男性とて生身の女性を相手に致す際に視覚全振りで興奮するものではありません。肌を通じた感覚で女性との触れ合いを実感しますし、聴覚で女性の反応を確かめて感情的にも高まれます。嗅覚や味覚で高まる変態さんもいるかもしれません。視覚以外の感覚を駆使して自らの小生的な興奮を高めているのに対し、ミ包女臣達の体験談に出てきた男性達の興奮は視覚に依存度が全振りだったのでしょう。ここで注意しなければいけないのが、これら興奮が視覚に依存している男性達はお風呂屋さんのお客であり、ということです。画面越しにしか女性の裸を見たことがない職業童貞はより深刻な状況に陥っていると考えるのが自然でしょう。


 三十代に突入してMPを得たり、四十代になってもはや転生なしで最強賢者になってしまってWeb小説サイトのなろう系ファンタジー作品にこびりついている職業童貞が、正気に目覚めて現実の女性相手に到達できるようになるためにソフトウェア面で何を使うべきか? 結論としておすすめするのはVRのAVです。理由は単純、視点が一人称だからです。VRゴーグルの先に憧れの女優さんが登場するとなると通常のAVよりも過激に思えるかもしれませんが割とそうでもないというのが私の意見です。何故かというとVRのAVは定点カメラで撮られているため、実際に現実で致すのに比べて視野の自由度が低いからです。首を傾けて女性の表情を見たいと思っても見られない、女性の顔が近づき過ぎるとVRゴーグルがブラックアウトするといった具合に実際の行為に比べてなのが良いのです。現実の女性との経験がある人からすれば、ブラックアウトした時に生身の女性から感じられるはずの肌感がなくて物足りないでしょう。物足りないからこそ現実の行為に向けたリハビリに活用できるのです。


 いくつかある注意点のまず一つは騎乗位だけを取り上げた作品は避けることです。前回取り上げた通り騎乗位の動作はおすすめしたハードウェアでは練習しづらいからです。男性本位で動くには経験が必要で、男性が達し易いピストン運動を女性にしてもらうと女性側の負担が大きいからでもあります。もう一つ避けるべきは多人数が出演している作品でしょうか。せっかく一人称で致す練習のためにVRを活用しているのに、結局他人の致しを観察してしまっては意味がありませんから。


 前回お伝えしたハードウェアと今回お伝えしたソフトウェア、これらを活用してお風呂屋さん利用一回目で絶頂を達成できるように練習して下さい。いいですか? 腰だけを動かすんですよ。腰だけの動かし方は前回紹介したプロ女性の先性、光杏先生が動画でも上げていますから、もしガチの職業童貞がいらしたらよく見て勉強しましょう。最後に、VRとベーグルクッションの組み合わせで練習している様子をご家族に目撃されないように気を付けて。

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