世知辛い世の中

Grisly

世知辛い世の中

金曜の午後。

仕事に疲れ、限界だった俺は

空き地の土管の上でしばし昼寝をした。

しかし。



「ちょっとお兄ちゃん、困るよ。

 そこは私有地だから、

 出て行ってもらわないと。」

お爺さんである。町内会長だろうか。


全く、権利だのコンプライアンスだの

生きにくい時代になったものだ。


公園でさえ「ボール遊び禁止」が

貼ってあるらしい。

子ども達は一体どこで遊べば良いのだ。




まぁもっとも、

原因は、俺達が始めた仕事にあるのだが。

人類 皆が真似するのだ。




彼は自らの尻尾を隠しながら、

午後からの、魂の回収へと向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

世知辛い世の中 Grisly @grisly

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ