私④

 この間、会社の上司に飛び後ろ回し蹴りを喰らわされた時に思った事がある。


 昨今では悪い意味でキラキラネームが流行っている……と。


 まあ、厳密に言えば流行り始めたのはもっと前の話なのだが、その頃にキラキラネームを付けられた子供達が今、大人となり。就職活動等で苦労しているという話だ。確かに「黄熊」と書いて「ぷう」はディズニーランドかディズニーシー以外では就職が難しいのかも知れない。いや、逆にオリエンタルランドは雇わないか……?

 しかしまぁそんな話は私には関係ないので放っておくとして、私が気になったのは黄熊と書いてぷうと読む事だ。これは言わずもがな黄色い熊と言えばくまのぷーさんだから黄熊でぷうという事なのだろうが、その理屈でいくとミッキーマウスはやはり「二足歩行ネズミ」になるのだろうか?


「山田 二足歩行ネズミミッキーマウス


 一人でエレクトリカルパレードが出来そうなくらいのキラキラネームである。


 しかしそうなるとミニーマウスは「二足歩行ネズミのめかけ」辺り…………おっと危ない。これ以上言うと見えない力に抹殺され兼ねないから止めておこう。


 しかしこのキラキラネーム問題はこのままエスカレートすると、20〜30年後はもっと酷い事になると予測される。仮に20年後にキラキラネームが普通となった世の中になってしまうと、例えばホラー映画の主人公女子が「婦人宝冠ティアラ」とかならばまだギリギリセーフだが、幽霊の方が「5年前に皇帝しいざあに殺された七音どれみの怨霊」とか言われてもちっとも怖くない。寧ろ笑わせにきているとしか思えない。更に仮にだが和製ホラーの金字塔である「リング」がリメイクされたとしたら「貞子」が「可愛癒プリキュア」になっていたり――つまり「山村 貞子」ではなく「山村 可愛癒プリキュア」とかになっていたら、それはもうホラー映画じゃなくて魔法少女映画と言っても過言ではないだろう。まあ、そもそも貞子が魔法少女みたいなものだが。

 そしてもし貞子が可愛癒プリキュアとなった場合、映画「貞子VS伽椰子」は「貞子VS伽椰子ふたりはプリキュア」というタイトルになる事間違いなし! まあ、この二人なら本家のプリキュアより恐らく強いだろうし、魔法少女映画として申し分ない出来になるだろう。


 ……というように、キラキラネーム問題が深刻化するとホラー映画がギャグ映画や魔法少女(リアルテイスト)映画になってしまい、ホラー映画は淘汰されてしまう事だろう。あと時代劇映画も「織田信長」が「第六天魔王のぶながファイナルフォーム」とかになる事……あ! そういえば織田信長って子供にキラキラネームを付けるのが好きだったな……。そう考えると信長が天下統一を果たしていたら日本はキラキラネーム大国……プリキュア大国になっていたかもしれない。明智光秀はそれを阻止したと……。本能寺の変グッジョブ

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