ロボットアニメ 劇場版

 ようやく全貌が見え始めた今世紀最大の問題作。双星のガングリオンだが――


 ここで再びリーダー。

「まあまあ落ち着け香織。現状ガングリオンは栃木とドゥルワカシーの駆け引きがメインのロボアニメだが、最終的には交渉が決裂してロボ同士の戦いになるんじゃないかと公式の変態には言われている」

「誰ッ! 公式の変態って!? なんで変態がおおやけに認められてるのっ!」

 と叫ぶ香織にリーダーは両腕を組むと。

「まあ実際アテにはならんがな。ガングリオンは最終的に決裂して戦争になると言われて既に3年が経過しているからな」

「もう3年も交渉続けてるのっ!? てかよく交渉だけで3年も続く人気アニメに出来たね?」

「あ、いや……」

 と横から口を挟んだのは三世。

「実際には交渉ネゴシエーションだけで3年以上もたせるのは無理だったみたいで、間に野球回とか温泉回とか水着回とか相撲回とか最終回とか無敵のおじさんがいるホラー回とかで尺稼ぎはしてましたね」

「途中で最終回してるっ! てゆーか野球とか相撲してるならまずプロレスしろイカリング!」

 と言っていると、思い出したかのように童子。

「あ、でも人気が続いた1番の理由はさっき言いそびれたけど、やっぱりシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテのマシン『トリニダード・モルガ・スコーピオン』が鬼カッコイイからだと思う。フィギュアとかプラモとか爆売れだからね!」

「フィギュアとかプラモじゃなくて『トリニダード・モルガ・スコーピオン』って唐辛子じゃん!」

 と言っている香織だが。

「因みにトリニダード・モルガ・スコーピオンの武器は『コモド・ドラゴン』って言う名前の剣ね」

「ホラやっぱり『コモド・ドラゴン』も唐辛子の名前だし」

 ――とここで。

「いや、コモド・ドラゴンはコモド・オオトカゲの別称だぞ?」

 とカットインしてきたのはリーダーだった。

「なんでそこは本家のコモド・オオトカゲでくるかな? 明らかに唐辛子の流れだったじゃん……」

「因みにコモド・ドラゴンから放つ必殺技の名前は『ドラゴンズ・ブレス』という」

「だから『ドラゴンズ・ブレス』も唐辛子の名前だし! 絶対コモド・ドラゴンも唐辛子だって!」


 っという訳で双星のガングリオン(病名)とは――

 惑星ドゥルワカシー(料理名)からアストラゼネカ(社名)を守るために、クリスタルガイザー(商品名)とグライシンガー(人名)がシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(お菓子名)のトリニダード・モルガ・スコーピオン(唐辛子名)とは決して戦わずにひたすら交渉するロボットアニメ……らしい。

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