さるかに合戦

 昔むかし、蟹がおにぎりを持って歩いていると、ずる賢い猿が拾った柿の種とおにぎりを交換しようと言ってきました。


 蟹(ベニズワイガニ)は最初は嫌がりましたが「おにぎりは食べてしまえば終わりだが、柿の種は植えて成長すれば柿が沢山なって沢山食べれる」と猿(マウンテンゴリラ)が言ったので、蟹はおにぎり(コンビニ)と柿の種(亀田製菓)を交換しました。


 蟹(毛ガニ)はさっそく家(アメリカ)に帰って――

「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃハサミでちょん切るぞ」

 と歌いながら柿の種の木が成長するのを待ちました。そして8年後――

 木が成長して柿の種が沢山なると、そこへやって来た猿(ヒガシローランドゴリラ)は木に登れない蟹(平家ガニ)の代わりに自分が柿の種を採ってやろうと言いました。

 しかし猿(マントヒヒ)は木に登ったまま自分ばかりが柿の種を食べ、蟹(タラバガニ)が柿の種をくれと催促すると、まだ熟していない袋に入ったままの柿の種を蟹(カニカマ)に投げつけ――。袋に入ったままの鉛のように硬い柿の種をぶつけられた蟹(カニ道楽)は、その時に負った怪我が原因で子供達を産むと死んでしまいました。


 これに怒髪天を衝いた子蟹達は親の敵を討つために、全ての才能を投げ捨てて猿(マンドリル)の意地悪に困っていた栗(モンブラン)と臼(ヒノキ)と蜂(オオスズメバチ)と牛糞(黒毛和牛)に敵討ちの助力を要請しました。


 こうして子蟹達一行は猿(の惑星)の留守中に家(カナダ)へ忍び込み、栗は囲炉裏(イタリア製)の中に隠れ、蜂は水桶(フランス製)の中に隠れ、牛糞(ドイツ製)は土間に隠れ、臼(オリハルコン製)は屋根に隠れました。

 そして猿(剥製)が家に帰って来て囲炉裏で身体を暖めようとすると、囲炉裏の中から熱々に焼けた栗(甘栗むいちゃいました)が体当たりをして猿は火傷を負い、急いで水で冷やそうと水桶に近付くと今度は蜂(キラービー)が刺し、散々な目にあった猿は家から逃げようとすると、出入口で待っていた牛糞(人工)を踏ん付けて滑り転倒してしまいます。そして最後に屋根(宇宙)から落ちてきた臼(メテオ)にコンビニごと潰されて猿(良く見るとざる)は死んでしまい、子蟹達(エビ)は見事に親の敵を討ったのでした。

 めでたし、めでたし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る