赤ずきんちゃん

 むか~し昔。あるところに赤い頭巾を被っている赤ずきんちゃんではなく、赤ずきんさん独身男性36歳児がいました。


 ある日。赤ずきんさんは母親にお使いを頼まれます。そのお使いというのは、森の中に住む病気(ドライアイ)のおばあさんにスルメとビールと先日母親が討ち取ったドラゴンの首を届けるというものでした。


 赤ずきんさんは早速おばあさんの家へと向かいますが、その途中で悪者として有名な狼に出会います。

 しかし赤ずきんさんはこの時、狼が悪者だという事を知らなかったのでうっかりSNSでおばあさんの住所を流出させてしまいます。そうしておばあさんの住所を知った狼は、赤ずきんさんがエゴサをしている内におばあさんの家へと先回りします。


 狼はおばあさんの家に入り込むと、6mのアナコンダを魔法のスティックにしている魔法少女「86歳のおばあさん」を死闘の末になんとか倒し、

「ヤツがドライアイでなければ負けていた……」

 と呟きながらも魔法少女ロリばばあをペロリと丸呑みにしてしまいました。


 こうして魔法少女に変身する力を得た狼はすぐに魔法少女に変身すると、おばあさんのフリをして赤ずきんさんを待ち構えます。

 それからしばらくし、おばあさんの家へと着いた赤ずきんさんはおばあさんの家の中へと足を踏み入れ――すぐに異変を察知しました。

 なので赤ずきんさんはロリばばあに扮した狼に問いかけます。


「ばばあッ! テメーの血は何色だっ!?」


 ――瞬間。狼は自分の正体がバレている事を悟ります。それと同時に自分が捕食する側ではなく、捕食される側だという事も悟りました。

 とはいえ狼もそのままられるつもりはありません。ここからは狼と赤ずきんさんの血で血を洗う争い、死闘へと発展します。そして――

「ヤツが口内炎でなければ負けていた……」

 と呟きながら狼は辛くも勝利。おばあさんに続き赤ずきんさんもペロリと丸呑みにしてしまいました。


 こうしておばあさんも赤ずきんさんも狼に食べられてしまい、バッドエンド一直線かと思いきや――おばあさんの家はSNSで住所が流出していたため、直後に猟師という名のロリばばあ目当ての凸者が数人現れ狼を倒し、おばあさんとついでに赤ずきんさんも助け出されました。

 なので赤ずきんさんは、これからはエゴサは程々にしようと決めました。

 因みにドラゴンの首はドライアイに良く効くらしいです。めでたしめでたし。

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