おべんとう
もちっぱち
おべんとうの日
幼稚園では
月に2回ほど
給食ではなく
お弁当の日がある
母はなるべく
息子が食べられそうなものを
選んで詰める。
野菜は苦手
これはいい
冷凍食品だが
グラタンの占いがついてるもの
あれはいい
みかんが好きだから
半分に切って入れて
しゅうくんも同じだから
注文が多い息子。
そんなある日
今回のお弁当は
あまりにも疲れ切っていて
買い物に行けなかった。
お父さんのお弁当にも
入れている
冷蔵庫の常備菜を詰めようと
少し不安になりながらも
何もないよりはマシと
母は
お弁当に詰めた。
バスで帰ってきた。
降りてすぐに
「お弁当、残したー。
食べられなかった。」
(やっぱりか…。
野菜入れなきゃ良かった。)
「嘘、いつもそう言いながら
完食するでしょう?」
「今日は本当だよ!」
家の中に着いて
お弁当の中を確認した。
常備菜のおかずと
ふりかけがかかったごはんを完食して
咀嚼が苦手が息子は
小さなからあげを2口分残していた。
母は、
笑顔になる。
涙が出そうになった。
いつもお家で食べる時は
残すおかずだったからだ。
「頑張って食べたじゃん!!
お肉は固かった?」
「うん、お腹いっぱいなったから
無理だった。」
息子の残してたのは事実だが、
嬉しかった。
野菜をしっかり食べてくれるだけで
何だか安心する。
「よし、一緒にゲームしよう。
ご褒美だ。」
「えー、今からアニメ見るからやだ。」
「そんなこと言わないで
お母さんと遊ぼうよー。」
「はいはい。わかりました。」
時々どっちが子供かわからなくなる。
午後の親子タイムが始まった。
おべんとう もちっぱち @mochippachi
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