ぶひぶひ、ぶひぃ!? ぶぶぶぶ! ひー! ぶひぶひ!
試験勉強だけじゃない、この一年でやり残したことをやらなければ。
まずは。
「春ちゃん、その髪型はどうしたの!?
「そしてそのスカートの短さ!」
「へっへー、あてしギャルになっちゃいました。どう、似合うっしょ」
そう、ギャルになりました。いえい。
いや、だって高校生最後の年だし、一度くらい豚からギャルに変身しておきたくない? あてしはしたい。ギャルは若いときしか出来ない。
っでー、ギャルといえばカースト上位っしょ。
あてしもカースト作ることにしたし。ボディメイクに興味がある子を片っ端から仲間に引き込んだ。
半年でも効果あるよっていえば三年生でも部に入ってくれるし、仲間になってくれるしね。
あといじめられっ子に積極的に声かけた。ボディメイクして体作れば反抗できるかもしれないって。ウチらが守ってやんよって。
そしたら一大派閥よ。やっぱギャルってたのしー。
「かっかっか、カースト上位って楽しいねえ。ことにゃんジュース買うの? ちょっくら私いってくるわ」
「カースト上位の行動ではないよね、ことにゃん」
「ギャルの行動ってわけでもないよね、のぞみん」
まあ、ここからがギャルの本領発揮というか。
「この子佐藤さん。ウチでよろしく頼むわ」
「佐藤さんって、大月さんのところのグループじゃ」
「正解だよことにゃん。なんかさ、トイレで大月のグループの子が水を個室に上から落としていてさ。水ぶっかけられて大変だったこの子を保護したってわけ。サイズにてたから制服貸したんで、制服取り替えてくるわ」
そう、大月新葉のグループを侵食しはじめたっていうか? なんかあそこ陰湿だから嫌なんだよね、目に付くの。うちボディメイクしてるから健康な子が多いしぃ?
佐藤さんを助けて、必ずウチのグループが側に付いていることを実践して、もう二人くらい助けたら、
「嫌なんですもう。お願いします、助けてください」
って密かに手紙出してきた大月グループのカースト下位の子が数名いたんでその子らも救出。
なんか笑顔が学校に増えるのって楽しーねー! ぎゃるさいこー!
そんなことしていたら大月に呼び出されて、屋上で刺されそうになって華麗に取り押さえたら、大月が傷害罪で停学からの退学コンボ食らってた。大学どうするんだろ。
大月グループも崩壊しウチの天下。最大カーストの最上位は楽しいね!
そんなことをしていたらもう十二月。もうすぐ全国テストの時期だ。今のところ令和大学の経営学部はみんなA判定。法学部は政治学科がAだけど法律学科はB判定。最後の追い込みをしなければ!
「っしゃあ、五十二キログラム達成! これ以上はさすがにもうボディバランスが崩れるから止めておこっかな。ねぇねぇみんな聞いて聞いてーあてし五十二キロ達成したっしー」
体は完璧に作られた。二年でここまで来たのである。鍛錬は裏切らない!
一月の全国テストは華麗にほぼ満点でクリアし、二月の試験!
今までやってきたパワーを発揮するときだ! ブヒブヒパワー! ブヒブヒブーヒブヒ! 大盛りカツ丼!
四月、令和大学法学部法律学科に入学できた私は、入学式に挑む。
「あ、澤渡先輩! 遅れてすみません!」
「別に待ってねーよ。それより、澤渡先輩じゃねえだろ」
「あ、うん。亮くんだね」
全人類の皆様ごめんなさぁぁぁぁぁい!
三年に上がったくらいから澤渡先輩と付き合ってましたあぁぁぁぁぁぁ!!
付き合い当初からラブラブチュッチュですみませんんんんん!!
澤渡先輩はもっと難関の国立大学です! 今日は親のいない私の、親役として参加してくれるんです。
親がいたらあんなに太らせねえよ。
この三年間、豚ちゃんの時期を含めて得たことは……、そう。
カツ丼、最高!
豚は豚のままでいろ? 嫌ですふざけんな。豚小屋から脱獄して、憧れのかれぴっぴに告白して添い遂げるんだブヒ! きつねのなにか @nekononanika
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