第2話 ユーカリの下で我らは分つ

__今日は、晴れだ。

雲がひとつもない。暖かく、気持ちのいい風。少しぬるい。


1つの窓を開け、深く呼吸をする。

朝はあまり得意では無いけれども、嫌いではない。


遅くに起きると身体にも駄目と分かるし、何より置いてかれた感がある。それが嫌なのだ。

前はよくしていたが、今はする理由がなくなった。


「今日は、アレを作ってみようかな。」

少し目覚めてきた身体の内側が欲する。

皆が食べてくれるかは分からないけれど、試してみて欲しさもあるので。作る。


私は、孤児院の中で暮らしている者です。


今日の朝餉の当番は私。

当番制なのでストレスもそこまで無い。

何より、作るのは嫌いでは無い。


ただなかなか自分自身の段取りが悪いのが分かるので、そう何人といるとそれはそれでストレスになってしまう為、なるべく1人で作りたく、今は1人で作っている。料理が分からない人用のレシピも置いてあるので万が一何があっても安心だ。


院内で管理されている冷蔵庫を開ける。

冷たい風が優しく来る。実はコレが好きだったりする。

材料を確認しながら、無いものは代替をする。


アレルギー というものがある者もいるので、そういう場合は管理している方が出す、らしい。私はアレルギーというものは無いのでなんとも。ですが。


作る時間はだいたい1時間、

と言っても朝餉なので、大抵はそこまで時間はかからない。稀に物を焼いて終わり、という者もいる。そういうのは、なかなか、見た目も、味も、原始的でした。


朝は時間が過ぎるのが早いので考える暇は基本、無かったりする。着替えて、食べて、掃除をして、どやどやアレコレ等していると、いつの間にか昼餉を迎えていたりする。昼餉も担当が居る。朝、昼、夜、と3つある、が、私は夜はほとんどやっていない。何せ朝を担当することが多いので余計に、夜との仲はそこまででした。


昼餉を済ましたら後は夜まで自由。


そこからは私がよくお世話になっている所へ、出向きます。

そこには、私が尊敬する友人がいるのです。


その子の名前は ルドベキア。


その子もまた、私を尊敬しているらしい、です。


こんなに、

私が作られた由来が、こんなに汚名でも。

あの子は私を許してくれている、気がするのです。


私は、フリチラリア。


又の名を、黒百合。

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