AM2:31。鳴ったのはインターホン。


 AM2:31。鳴ったのはインターホン。

 家族は隣でしんと寝ている。

 ──誰かが来た。

 とても不気味だったけど、万が一のことも考えて僕は玄関のドアを開けた。

 誰もいない。

 「ここだよ」足元から声がする。見ると、小さな白い鳩が丸くなっていた。喋っていたので伝言鳩だろう。

 「そろそろ交代しなさいな」

 言われて僕はハッと気がつく。もう5年の月日が経っていた。そろそろこの人生を降りて、別の誰かに引き継がなくちゃいけない。


 寝室に戻ると妻が起きていた。

「どうしたの?」「なんでもない」

 彼女の背中を抱きなから、僕は、殺してしまおうか少し悩んだ。

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